かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:グルダのベートーヴェンピアノソナタ全集3

神奈川県立図書館所蔵CD、グルダが演奏するベートーヴェンピアノソナタ全集の第3回目です。

第7番から第10番までの4曲が収録された第3集では、演奏にすこし異なる部分があります。第9番ですこし指使いが苦しい点があるんですね。

これをどう評価するべきか・・・・・

グルダがいい加減な演奏をしているので、やはりグルダは順番に弾くことなんて好んでいないのだ、なのか。それとも、ここではさすがにグルダは大変なので、やはり順番に弾くことには抵抗がない、のか。

私は後者だと思っています。なぜなら、苦しい部分は少しだけだからです。他は一音一音がはっきりと聞き取れていまして、グルダが丁寧さを心がけていることが分かります。

実は第9番は、山根弥生子さんも苦労して弾いているんです。多少突っかかると言いますか、指が回り切れていないような演奏で、それを乗り越えるためにテンポに気を付けて、慎重に演奏しています。グルダはそれをまるで疾走するように演奏しています。

それはここまでのグルダの演奏の特徴でもありますが、それを終始守っているのです。その上で、最初は指が回らない点がありますが、それはじきに解消され、一音一音きちんと聞き取れるようになります。

となると、グルダはいい加減に演奏しているのではなく、やはりベートーヴェンに対してリスペクトしているということになろうかと思います。勿論、番号順に演奏することだって抵抗を感じてはいません。

山根弥生子さんの全集を借り始めた時は、彼女の演奏だけでいいかなと思っていた自分が、後半になるにつれて他の演奏もと思い、グルダを借りて聴いた途端、これも全部!と思い始めたのは、こういった演奏を聴いたからにほかなりません。簡単に弾いているように思えて実はグルダすら苦労するほどの作品が、ここには存在するということなのです。

どちらか一方だけでは、私の視野は狭くなっていたことでしょう。それを見開かせてくれたのは、このグルダの演奏だったのです。そして、ベートーヴェンピアノソナタに対して、見識を深めたのもこのグルダの演奏です。

こういった演奏を気軽に楽しめるのが図書館の素晴らしい点だと思います。CDを買うだけではなく、またコンサートへ足を運ぶだけではないクラシックの楽しみ方が、ここにはあります。



聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノソナタ第7番ニ長調作品10-3
ピアノソナタ第8番ハ短調作品13「悲愴」
ピアノソナタ第9番ホ長調作品14-1
ピアノソナタ第10番ト長調作品14-2
フリードリッヒ・グルダ(ピアノ)



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