かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの・ニールセン 交響曲全集1

今月のお買いもの、今月はまず先月ご紹介しきれなかったCDから参ります。ニールセンの交響曲全集を取り上げます。新宿のディスクユニオン新宿クラシック館で買い求めました。中古で1200円でした。

私の初ニールセンとなる全集です。この作曲家、実は高校生時代から名前だけは知っていましたが、聴こうという気持ちになるまでずいぶん時間がかかった作曲家です。というのも、日本では演奏機会があまりないうえに、放送でもあまりかからないという事情があります。

その割には、ウィキにはこの全集に収録されている作品がすべて載っていることは嬉しい限りです。

カール・ニールセン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3

デンマークの作曲家です。シベリウスと同時代の作曲家(生年がおなじ)ですが、シベリウスのような重々しさがないのが特徴と言えるかと思います(シベリウスの場合、その重さがまた味がある点でもありますが)。その分、日本では幾分評価が低いのかもしれません。

まず、第1番です。

交響曲第1番 (ニールセン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC1%E7%95%AA_(%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3)

この第1番があまり演奏されない理由なのでしょうか。第4楽章が主調ではないハ長調で終るという、この第1番の最大の特徴がメジャー化を阻んでいる一因かもしれませんが、そんなことを一度わきにおいて聴きますと、そのはっきりとしつつも洗練された調性音楽の美しさに魅了されるように思うのですが・・・・・

第4楽章のハ長調は、主調であるト短調の逆行と言われていますので、実はニールセンからすれば第4楽章は主調で終わることという法則にのっとっていますよと言いたいのでしょうが、これはなかなか楽譜を見ないとわからないでしょう。

逆行
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%81%E4%BA%8C%E9%9F%B3%E6%8A%80%E6%B3%95#.E9.80.86.E8.A1.8C.E5.BD.A2

では、この曲を聴くのにそれだけの高い素養がいるのかと言えば、そんなことはありません。音楽自体はそれほど難解ではありませんから。ただ、その裏には実はちょっとした楽典クラスの素養がきちんと隠されていますよということは、知っておいて損はないと思います。面白さを感じる幅が拡がることでしょう。

次に第2番です。

交響曲第2番 (ニールセン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC2%E7%95%AA_(%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3)

「四つの気質」という副題がついています。これは古代ギリシャの医師ヒポクラテスの四体液説に基づく人間の気質の分類方法であり、その4つとは以下の通りです。

・「多血質」:陽気で活発な性格
・「胆汁質」:短気で怒りっぽい
・「粘液質」;知的
・「憂鬱質」:陰気でメランコリック

楽章は、第1楽章が「胆汁質」(短気で怒りっぽい)、第2楽章が「粘液質」(知的)、第3楽章が「憂鬱質」(陰気でメランコリック)、第4楽章が「多血質」(陽気で活発な性格)となっています。ウィキによれば、標題音楽ではないそうですが、楽章の性格づけという点で眺めてみた時、古典的な4楽章の性質に近いことはいったいどう理解すればいいのでしょうか。

こういった点でいろんな素養がいきなり必要になることが、ニールセンの交響曲が日本ではあまりコンサートで演奏されない理由の一つかもしれません。しかし音楽自体はとても親しみやすい旋律です。

この二つの作品が作曲された時代は、後期ロマン派で、ブラームスも存命で、マーラーも第4番や第5番を作曲していた時代ですから、音楽的に奇抜なものになるわけがないのですね。北欧ということでシベリウスの音楽ばかりがクローズアップされ、それ以外はまるで聴く必要なしといった論調も、ニールセンを日本の聴衆から遠ざけているような気がします。

この二つの作品からは、当時の大陸で作曲されていた作品の間接的な影響を確かにうけているように思うのです。それでいて、真似ではない音楽は、もっと評価してもいいのになあと思います。



聴いているCD
カール・ニールセン作曲
交響曲第1番ト短調作品7
交響曲第2番ロ短調作品16「四つの気質」
オーレ・シュミット指揮
ロンドン交響楽団
(Regis RRC2046A)



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