かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:マーラー 交響曲第4番

今月のお買いもの、6枚目はマーラー交響曲第4番です。ショルティ指揮、シカゴ交響楽団ソリストキリ・テ・カナワです。東京新宿、ディスクユニオン新宿クラシック館での購入です。

このマーラーの4番という曲は、もう3年程前から実は別の指揮者のものを狙っていたのですが、ショルティマーラー演奏のオーソリティであるので、安さにつられて買ってきました^^;

恐らく、神奈川県立図書館にはあるだろうなあと思いつつ・・・・・

その県立図書館からマーラー交響曲を借り漁っていた時、では図書館に4番はなかったのかと言えば、そんなことはありません。しかし、欲しい指揮者とオケのがなかったため、借りなかっただけの話です。ですので、4番だけ持っていなかったのです。

さて、その4番の特徴と言えば、ソリストが登場するという点でしょう。合唱が入るのはすでにベートーヴェンの第九の他、マーラー自身も第2番で導入していますし、前作である第3番でも使っていますが、ソリストだけというのがなかなかないわけです。

そう、第4番には合唱が登場しません。ソリストだけです。

交響曲第4番 (マーラー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC4%E7%95%AA_(%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC)

さらに、この第4番はもともと7楽章として構想されましたが、実際には古典的な4楽章になりました。その他の3楽章は第3番や第5番などという形で結実しています。

確かに、この第4番では第5番でも聴かれるような旋律とその登場の仕方が出てきます。これ第5番で聴いたような・・・・・そんな音楽が随所に出てきます。

で、私が欲しかった演奏は実はインバルなのです。なぜならば、すでに買っていた第5番、そして借りてきてリッピングしてある第3番が各々インバル指揮、フランクフルト放送交響楽団だからです。そうすると、同じ演奏で比較できますでしょ?

しかし、すでにそれは廉価盤で出ているにもかかわらず、いつまでたっても買う機会が巡ってきませんでした。このままいくと、もう10年くらいかかるのではないかと(廉価盤なのに、です!)・・・・・

ですので、思い切って第1番と第6番、第7番の演奏者であるショルティ指揮、シカゴ響で購入したというわけなのです。

はっきり言いまして、この演奏は私をどっぷりとマーラーの世界に浸らせるのに十分な動機になり得ると思っています。インバルと違い音がすっきりと言いますか、アンサンブルがはっきりしているこのコンビで聴きますと、マーラーの音楽でよく表現される「耽美的」というだけではない、もっと清潔な美というものもはっきりと聴こえてくるからです。

この差は面白いですね〜。クラシックの愉しみというのはこういった差を楽しむことでもありますが、それを思いっきり私たちに教えてくれる演奏です。それでいて、他の演奏を聴いている人でも第3番から第5番までの関連がすぐわかるような演奏というのは、奇跡であると言えるかもしれません。

演奏上、解釈から逃れることはできません。ある一定のフィルターがどうしてもかかります。それであってもなお、音楽の本質を私たちに教えてくれる演奏はなかなか巡り合えるものではありません。単にシカゴ響のアンサンブルが素晴らしいと言うだけではなく、ショルティのきちんとした「視点」と、それをきちんと団員につたえる「能力」がないと、難しいと思います。

キリ・テ・カナワの独唱も素晴らしい!この演奏は名演の誉れ高いものでですから当然と言えばそうでしょうが、力強く、しかし軽くしなやかに歌うのは当然とは言えません。楽器と違いコンディションに思いっきり左右されるからです。しかし、そこをきちんと照準を合わせて結果を出すのはさすがプロです。

声楽が低く見られがちな現代ですが、声楽家ほど私は「アスリート」と思える芸術家はいないと思っています。いや、本来は音楽を演奏する人はどんなジャンルであれアスリートなのですが、特に声楽家は自分の身体のみでパフォーマンスするので、よりスポーツマンである本来の意味でのアスリートに近いのです。

豊かに表現するためには、腹筋も背筋も鍛えなくてはなりませんし、脚力もいります。顔の表情も声に反映されますから当然顔周辺の筋肉も鍛えなくてはなりません。だからこそ、オペラのアリアなどは歌うのが大変なのです。単に和音が複雑だとか、音の上下動が激しいということだけはありません。そういった音楽的なファクターを実際に音として表現するときに、どうしてもアスリート並みでないときちんと旋律として成立しないということなのです。

だから、西洋では声楽が至上とされるわけです。宗教曲から始まり、合唱曲が中心に据えられるのはそういった理由からなのです。

マーラーもそういった価値観の中で指揮も作曲もしているということは、こういった交響曲を聴く時には私は欠くべからざる素養であろうと思います。



聴いているCD
グスタフ・マーラー作曲
交響曲第4番ト長調
キリ・テ・カナワ(ソプラノ)
サー・ゲオルグショルティ指揮
シカゴ交響楽団
(LONDON FOOL-23073)



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