かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:チャイコフスキー 交響曲第4番

今回のマイ・コレはチャイコフスキー交響曲第4番を取上げます。指揮はサー・ゲオルグショルティ、演奏はシカゴ交響楽団です。

これが私の初ショルティとなります。今後、このコンビは結構私のライブラリの中におかれることになります。全集等を除けば、もしかするとスウィトナーの次に多いかもしれません。

ちょうど、ショルティの名はマーラー交響曲で知っていました。ちょうど5番を買うときにショルティの演奏も候補に挙がりました。ですので、買うときにはあまり迷いなく買い求めました。

ショルティの指揮は県立図書館のコーナーでマーラーの時に触れましたが、とてもきびきびしている感じの上で、芳醇な音楽をオケに鳴らさせるもので、今回のこの演奏もそういう点が際立っています。

第1楽章冒頭の金管も聴かせてくれます。いきなりファンファーレで始まるこの曲を、とても上品なものへと昇華させています。ともすればこのファファーレは下品になりがちですが、それが全くないのもすばらしいです。

やはり、さすがプロです。当たり前かもしれませんが、その当たり前のことをさらりとやってのけるのがプロなのです。

第3楽章のピチカート・オスティナートもすばらしいです。ただ、そのすばらしさを知ることになったのはこのCDを買ってしばらくして、他の演奏を聴いてからです。この楽章ほど音がはずれやすい楽章もないんですね。ですので、その現場を見たとき、「なんて自分の持っているCDはすごい演奏なのだろう」と改めてシカゴ響のすばらしさを実感しました。

第4楽章はもう言うに及ばずです。この楽章もテンポが速い分、音が外れることも多い曲ですが、それが一切ありません。

勿論、失敗すれば録音しなおしているでしょうが、それにしてもこれだけ統率が取れているというのは、すばらしいです。アメリカという国の底力を感じます。

そういう意味では、今週とりあげている二つのCDは、アメリカという国の文化の奥深さを知った貴重な二枚だと、私は思っています。一方はいかにもアメリカらしいアメリカン・ポップスですし、もう一方はチャイコフスキー。でも、どちらもすばらしい音楽を追求しているのは間違いありません。

そこに、本当の文化的な豊かさとは何か、と考えさせるだけのものを持っています。振り返って、日本はどうだろう、と・・・・・

それが逆に、私を古美術へと誘ったきっかけにもなりました。大学進学後、私はサークル選びで一つの決断を下すことになりますが、そのときに影響をおよぼした演奏の一つと言っていいかと思います。

それを引き出す、ショルティの音楽性・・・・・すばらしいです。



聴いているCD
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲
交響曲第4番ヘ短調作品36
サー・ゲオルグショルティ指揮
シカゴ交響楽団
(ロンドン F35L 50017)