かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:ショルティとシカゴ交響楽団によるベートーヴェン交響曲全集3

東京の図書館から、シリーズで取り上げている、府中市立図書館のライブラリである、ショルティ指揮シカゴ交響楽団によるベートーヴェン交響曲全集の、今回は第3集をとりあげます。

第3集には、第5番と第4番が収録されています。第4番が先ではないんですよね。第5番が先です。そのため、この全集は完全に番号順とは言えないと思います。が、ほぼほぼ番号順だとは言えるでしょう。

第5番の演奏は、ある意味古典的なアプローチをしていると思います。見えを切ったり、フェルマータを存分に伸ばしたり。外形的かもしれませんが、しかし「運命にあらがう人間と、その勝利の音楽」というストーリーは見事に実現しています。

第5番という作品をどのようにとらえるのかは指揮者の自由です。クルレンツィスのようにリズムをただ積み上げていくという方法もありますが、それだと無味乾燥な気がします。やはりショルティのアプローチのほうを支持します。ストーリーを重視する解釈です。

もちろん、第5番という作品は一つの主題、リズムが全体を支配するというものでもあります。ただ、それをどう紡いで「歌う」のかも、重要なファクターだと思うのです。作曲当時のベートーヴェンを考えたとき、私が指揮者ならそうします。

第4番の生きのよさも素晴らしい演奏!どうも第5番が先だと影が薄くなる傾向があると思いますが、そんなことがない溌溂とした生命力ある演奏は、私が好きな演奏です。ショルティの鋭い譜読みはさすがだと思います。それがたとえ多少外形的だとしても、魂を救い上げるような解釈に尊敬の念を感じます。さすが巨匠であろうと思います。

特に第4番こそ「歌」を歌っており、正直この全集を借りたとき、おお!クライバー以来の素晴らしい演奏が来た!と思いました。ベートーヴェンは重々しいだけじゃない!とずっと思ってきました。それを共感してくれているような感じがします。こういう演奏は聴いていて幸せです。

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第5番ハ短調作品67「運命」
交響曲第4番変ロ長調作品60
サー・ゲオルグショルティ指揮
シカゴ交響楽団

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