かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:ブラームス ピアノ三重奏曲全集1

今回のマイ・コレは再びクラシックです。ブラームスピアノ三重奏曲全集の第1集で、ウィーン・ピアノ・トリオの演奏です。

ブラームスは素晴らしい室内楽をいくつも書いていますが、その中からこのピアノ三重奏曲というジャンルを選んだのはこれこそ偶然としか言えないでしょう。手っ取り早く全集が手に入る機会は当時そうそうありません。もちろんこれも昨日の柴草玲同様10年前に購入したものです。

このCDを買うきっかけはブラームスの六重奏曲にありました。ずっとブラームスの他の室内楽が聴きたい、そう思い続けていた私は、即座にこのナクソスを選びました。ブラームスピアノ三重奏曲は4曲しかないので、ナクソスなら2枚で済むからです。2枚買っても当時2000円。国内盤が販売も購入も主流だった時代ですから当然2000円では下手すれば1枚も買えないのが、2枚買えるわけですから。

そのため、珍しくナクソス音源ですべてそろっているのです。当時からナクソスはなかなか全集がそろいませんで・・・・・機会を逃すと本当にダメです。ナクソスには珍しく番号順というのも購入の決め手でした。

この第1集には第1番と第2番が収められていますが、実はこの二つは作曲時期がかなり離れています。第1番は作品番号8となっているように若いころの作品で、1854年に作曲されています。一方第2番は1880年から82年にかけて作曲されました。その時間差、28年・・・・・ただ、第1番は1890年に改訂され、現在はその改訂版で演奏されることが多いようです。

その第1番は第1楽章が長調、第4楽章が短調という調性の違いが特徴です。甘い第1楽章から始まり、静かな第2楽章、透明な第3楽章、そして暗めですがドラマティックな第4楽章と、かなり若いブラームスの希望に満ち純粋な世界が展開されます。

ピアノ三重奏曲第1番 (ブラームス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E4%B8%89%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC1%E7%95%AA_(%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9)

一方、第2番は、むしろ円熟味が主になります。甘い旋律は影をひそめ、渋さが前面に出されています。この曲は第1楽章と第4楽章がおなじ調で終わるという構成を採っています。

ピアノ三重奏曲第2番 (ブラームス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E4%B8%89%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC2%E7%95%AA_(%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9)

いずれも、ピアノと各楽器は対等で、ベートーヴェンとは全く様相が異なっていることは確かです。そういう比較も面白いです。

其れ以前に、この二つがとてもブラームスらしい、不器用な純粋さを持っていることが、特に私の琴線に触れる曲でもあります。なんだか自分自身を演奏されているような、そんな気すらしてきます。

それは演奏のせいもあるかも知れません。ウィーン・ピアノ・トリオはとても美しい演奏をします。アインザッツを強めるところは強め、しなやかにするところはしなやなで、とても柔軟な演奏が端整さとなって聴き手にじっくりと曲を聴かせてくれます。何度ヘビーローテーションしても飽きないその演奏はつねに私の心の琴線を鳴らしてくれます。ブラームスの成長を見ることが、自分自身の成長や来し方を振り返るきっかけになっているのです。

こういった曲はやはり室内楽でないとなかなかないですね。管弦楽だとスケールが大きくてなかなか内省的になることはありませんが、室内楽は自分自身を常に振り返らせてくれます。特に、ブラームスは・・・・・

だからこそ、第2集も一緒に買いたい!と思ったわけでもあるのですが、それはまた次週に。



聴いているCD
ヨハネス・ブラームス作曲
ピアノ三重奏曲第1番ロ長調作品8(改訂版)
ピアノ三重奏曲第2番ハ長調作品87
ウィーン・ピアノ・トリオ
(Naxos 8.550746)



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