今回のマイ・コレは、久しぶりにクラシック以外のジャンルになります。柴草玲の2002年のミニ・アルバム「レクイエム」です。
何でこんなもの持っているのかと言えば、まったくの偶然です・・・・・うそうそ、そんなことはありません。これにだってきちんときっかけがありますとも!
このアルバムが出た2002年のある日。私は友人と恐らくクラシックのコンサートを聴きにみなとみらいホールへ行った、その帰りだったと思います。当時、まだ東横線が桜木町まで走っていた時代でして、みなとみらい線など開通していませんでした。ですから、家へ帰るにはみなとみらいホールからショッピングモールを抜け、桜木町の駅まで歩かなくてはなりませんでした。
そのため、どうしてもショッピングモール内で食事をしないといけなかったのです。当時桜木町周辺には食事ができるようなところがあまりありませんでした。せいぜい市営地下鉄に隣接する地下街くらい。あとはもう少し日ノ出町方面へ歩くか、思い切って関内方面へ歩いて中華街しかなかったのです。
そのショッピングモールで、なんとレクイエムのミニコンサートがあると言うではありませんか!実は当時、モツレクを歌ったばかりだったのです。まさかモツレクではないですよねえと思いながら、ちょっとだけ聴いてみると・・・・・
なんと静かでおしゃれな音楽がそこから流れてくることでしょう!勿論、モーツァルトのレクイエムであろうはずがありません。
レクイエムとは、このアルバムの第1曲です。恋を死にたとえ、死にゆく恋をしのぶ歌です。当時、なんと素晴らしい歌詞なのだろうと思いました。
レクイエムは、日本では誤解を受けやすい曲です。確かに、死者のために歌われる曲ですし、「死者のためのミサ曲」が正式名称です。しかしその目的は、死者の魂を送ることによって生き残った人を慰めるということなのです。この曲はその目的に沿って作曲されているのです。失恋ソングですから。
なぜそんな歌が出来上がったのかとネットで調べてみましたら、ウィキの記載で理解できました。彼女は国立音楽大学でピアノを専攻しているのですね。
柴草玲
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B4%E8%8D%89%E7%8E%B2
まずクラシックから出発し、その次にジャズでトリオを組み、その後シンガーソングライターとして活躍するようになります。なるほど、だからかと納得です。あくまでも失恋しても、そこには前向きに立ち上がろうという意思が込められています。たんに悲しみだけで終わっていません。
2曲目「P.S」は失恋ソング、3曲目「蒼い影」は恋人との短い時間を歌った歌です。特に「蒼い影」はその瞬間を切り取ったような曲で、自分もそこにいるかのような錯覚に陥ります。夜の草原を二人きりで過ごす甘いひと時・・・・・大人の歌です。
4曲目「オキナワソバヤのオネエサンへ」は、ちょっとコミカルな曲です。沖縄と言ってもソーキそばのことで、しかも舞台は東京。しかしまるで沖縄へ行ったかのような音楽は、主人公が沖縄の雰囲気いっぱいの店でソーキそばを食べるのがとても楽しみなのだなとわかります。舞台設定を音楽で聴かせるのがとてもうまいなあと思います。
5曲目は「宴」。それは大人の夜の宴。しかも、二人きりの・・・・・と言えば、何をするかは決まっているようなもの。それを全く素敵でおしゃれな旋律でまとめ上げるなんて、素晴らしいですね。情事が二人の美しい情景と表現されています。
6曲目は最終曲で「吸い殻とノクターン」。5曲目とついなのか、そうではないのか・・・・・一人、部屋でポツンと。でも、それに耐えきれない・・・・・女性であれば、そんな経験をしたことがある方も多いかと思います。失恋なのか、彼氏がいるけれど会えないのか、あるいは彼氏との情事が終わって帰った後なのか・・・・・何となく一番最後のシーンだと思いますが、大人のしっとりした歌です。
ピアノというかキーボードですが、使い方が上手いなあと思います。伴奏が主張しすぎないのです。他の楽器があっても無くても、しっかりと通奏低音の役割に徹し、時には主旋律も担当し、縦横無尽です。そこに、彼女の透明でしなやかな歌声が重なり、どの楽曲もおしゃれです。
もっと聴きたいと思いますし、実際当時探したのですがあまり有名なアーティストではなかったことも有って、これ一枚だけになっているのがさみしいところです。今年はこういったアーティストを「今月のお買いもの」でご紹介できればいいなあなどと思っています。
丁度絢香が復活したことですしね!
公式HP
http://shibakusa.kokage.cc/
ブログ
http://shibakusa.exblog.jp/
聴いているCD
柴草玲 レクイエム
(meer tracks SSDF-3007)※どうやら廃盤のようです・・・・・
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