かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ全集2-1

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナーは、今回から再びベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを取り上げます。今回から4回、第2弾ということでやりたいと思います。

以前、ふたつ音源を借りてきてあって、それはモノラルとステレオである、そしてモノラルのほうは1、ステレオのほうは2とすると宣言したとおり、2ハイフンという番号をつけています。

このステレオ音源は、基本的に番号順となっています。というのは、これもじつは小学館の「ベートーヴェン全集」の一部だからです。

さて、まず2-1では番号順なので第1番と第2番、そしてWoOから40、41、42と連続して取り上げています。

最初はWoO40である、「モーツァルトの「フィガロの結婚」から「もし伯爵が踊るなら」の主題による12の変奏曲ヘ長調」です。モーツァルトのオペラから主題を取り、それを変奏曲にしていくというのはベートーヴェンは特にこのWoOに残っていまして、それだけ先達であるモーツァルトを研究・尊敬していたことを意味します。ただ、モーツァルトの楽曲については実は是是非非の立場をベートーヴェンは取っていまして、中には「これは駄目だ」とダメ出しをしている作品は枚挙にいとまありません。そういうベートーヴェンが厳選して主題に選んだものなのですが、これがまるでモーツァルトの音楽が始まったかのように思うほど。ベートーヴェンらしくありません。

しかし、変奏曲としては素晴らしいものです。これこそ習作という感じがしないわけではありません。気品があり軽妙です。しかし、ベートーヴェンらしい気高さや高貴さがないのが特徴です。

それは、続く2曲、WoO41と42も同じでして、気品が漂うものの、気高さに欠ける部分があります。なぜベートーヴェンが作品番号を付けなかったのかという理由の一端が見えてきそうです。

演奏面では、メニューインのヴァイオリンがそれほど角が立っておらず、それは録音年代のせいなのか、それとも作品を弾き分けているのかはわかりません。いずれにしてもモノラル音源と比べますとセッションよりはアンサンブルを重視しています。

第4曲目となるヴァイオリン・ソナタ第1番ですが、これはいきなり演奏面を述べましょう。メンバーはがらりと変わってクレーメルアルゲリッチの二人ですが、まだ第1番と第2番であるせいか、ヴァイオリンをピアノが支えているというような演奏になっています。お互いが会話してそれほどたたかわせていないという印象です。ただ、強弱は一緒につけていまして、ピアノが単なる伴奏という場面はありません。

気品重視というような演奏で、気高さもありますが前面には押し出していません。むしろそれを上品にまとめているという感じです。とても端正で聞き飽きない演奏ですが、もう少しだけはアクセントをつけてもいいように思います。ところどころアインザッツが強い部分もありますが、ピアノが少し平坦であることから、あまり印象に残りません。メニューインと比べてしまうのはあまりにもかわいそうかもしれませんが。

第2番では、所々アクセントが付いているので、時代が下がるにしたがって表現を変えているのか?それは、次の第2集を聴いてみませんと何とも言えないでしょう。果たして?



聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
モーツァルトの「フィガロの結婚」から「もし伯爵が踊るなら」の主題による12の変奏曲ヘ長調WoO.40
ピアノとヴァイオリンのためのロンド ト長調WoO.41
ピアノとヴァイオリンのための6つのドイツ舞曲 WoO.42
ヴァイオリンソナタ第1番ニ長調作品12-1
ヴァイオリンソナタ第2番イ長調作品12-2
ユーディ・メニューイン(ヴァイオリン)
ヴィルヘルム・ケンプ(ピアノ)
デイヴィッド・ギャレット(ヴァイオリン)
ブルーノ、カニーノ(ピアノ、)
ギドン・クレーメル(ヴァイオリン)
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)



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