かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全集1-3

神奈川県立図書館所蔵CDベートーヴェンヴァイオリン・ソナタ全集の今回は第3回目。1-3として第4番と第5番、そして第9番「クロイツェル」が収録されているものを取り上げます。

番号順ではないということは、必ずしもマイナスだけではありません。この第3集のように、どれか一つがベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタとはこういったものだと簡単に説明できる一枚が存在することも有り得るのですから。

この第3集はまさしく、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの特徴を凝縮したものとなっています。第2集で取り上げた内容だけでなく、この第3集にはまずベートーヴェンの特徴とされる変奏曲が第4番第3楽章で出てきますし、有名な第5番「春」では楽章が4楽章に拡大されていますし、第9番「クロイツェル」ではセッションすることが言葉で持って前面に押し出されている(ベートーヴェンがつけた「ほとんど協奏曲のように、相競って演奏されるヴァイオリン助奏つきのピアノ・ソナタ」)上に変奏曲も採用しているなどが、その典型でありましょう。

そして、この3つがわずか3年の内に作曲されたものであり、その後のベートーヴェンの諸作品の特徴を決定づける内容を持っていることも、この第3集に収録されている楽曲の特徴でしょう。

ヴァイオリンソナタ第4番 (ベートーヴェン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF%E7%AC%AC4%E7%95%AA_(%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3)

ヴァイオリンソナタ第5番 (ベートーヴェン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF%E7%AC%AC5%E7%95%AA_(%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3)

ヴァイオリンソナタ第9番 (ベートーヴェン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF%E7%AC%AC9%E7%95%AA_(%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3)

この3つのウィキの説明の内、第5番の「ベートーヴェン自身のヴァイオリン演奏は技術的に稚拙で」というのはどうなんでしょうねえ。それは専門のピアノに比べてというようにとらえるべきだろうと思います。第九ではヴァイオリンとヴィオラをきちんと書き分けている点はどう評価するのかという問題が残ってしまいますので。

逆に言えば、だからこそ私は三重協奏曲で疑義をさしはさんだというわけなのです。ベートーヴェンはピアノの名手ですよね?ピアノソナタを聴けば分かるはずですが・・・・・

神奈川県立図書館所蔵CD:ブラームスベートーヴェンの複数楽器の協奏曲集
http://yaplog.jp/yk6974/archive/803

さて、メニューインとケントナーはこういったことを十分念頭に入れて、自在かつ端整なセッションを行っています。モノラルとはいえ、聴いていて飽きません。できればステレオで聴きたいという点はありますが、そんなことにこだわることがつまらないと感じるほど、素晴らしい演奏です。セッションとはこんなにも素晴らしく、楽しいものなのかと教えてくれます。

セッションとはジャズで使われる言葉ですが、もともとセッションとは共演という意味なのですから、それはジャズだけでなくクラシックでも使われる言葉であることはあまり知られていません。以前、小沢とアルゲリッチがピアノ協奏曲の練習をしていたドキュメントを観た時、確かに英語で「セッション」と言っていたのを記憶しています。ソナタはその一番少ない人数でのセッションです。アンサンブルを楽しむのはもちろん、その対等な演奏を楽しむのも、セッションの妙を楽しむソナタの特徴です。

ピアノ・ソナタ以外は必ず当該楽器とピアノとの「セッション」なんだと思っていただければ、「○○ソナタ」というジャンルを聴くきっかけになっていただけるのではないかと思います。

さて、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタについてはいったんここで終了します。ただ、必ず2、つまりステレオ音源を聴いてのもののエントリをアップすることだけは、お約束いたしましょう。



聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ヴァイオリンソナタ第4番イ短調作品23
ヴァイオリンソナタ第5番ヘ長調作品24「春」
ヴァイオリンソナタ第9番イ長調作品47「クロイツェル」
イェフディ・メニューイン(ヴァイオリン)
ルイス・ケントナー(ピアノ)



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