かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:パイジェッロ ピアノ協奏曲全集1

今月のお買いもの、2011年10月の2枚目は、パイジェッロのピアノ協奏曲全集です。銀座山野楽器本店にて購入しました。

パイジェッロについては、昨年エントリを上げています。

今月のお買いもの:パイジェッロ ピアノ協奏曲第1番・第3番・第5番
http://yaplog.jp/yk6974/archive/491

この時取り上げたのはナクソスでしたが。今回はブリリアント・クラシックスです。

パイジェッロは18世紀から19世紀にかけての作曲家で、時代としては古典派の作曲家です。活躍したのは18世紀後半で、ちょうどハイドンモーツァルトがバリバリに活躍した時代と重なります。

ジョヴァンニ・パイジエッロ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%BB%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%AD

普通はウィキには英語サイトも出ているのですが、このパイジェッロに関してはそれがないので何とも言えませんが、作品としてはオペラばかりが並んでいます。たしかに彼はオペラ作曲家として有名でした。ベートーヴェンも彼の歌劇の歌曲を使って変奏曲を2曲も書いているほどです。

変奏曲
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%A5%BD%E6%9B%B2%E4%B8%80%E8%A6%A7#.E5.A4.89.E5.A5.8F.E6.9B.B2

ですから、パイジェッロと言えばオペラ、なのですが、私としてはまずナクソスで触れたピアノ協奏曲を、ナクソスが収録していなかった分が聴きたいと思い続けていました。しかしながら、山野本店のナクソスの棚には、待てど暮らせど該当のCDが見当たりません。つまり、入ってこないのです。

そこで、私はおそらく通販でないと無理かも、もしかすると既に在庫がないので通販でも難しいかなと思っていた矢先に、同じ山野でブリリアント・クラシックスの新作としてこの全集が発売されていたのです。なお、上記エントリでも触れていたブリリアント・クラシックスのものとは別のものです。恐らく、再構成して全集にしたものと思われます。

第1番と第3番、そして第5番は重複になりますが、此れしか他の番号が聴けるものはないため、購入を決意しました。2枚組で、1260円です。2枚組なので、まず1枚目から参ります。

まず、第1番です。これはすでにナクソスでも持っているものですが、とても基本的な協奏曲で、悪く言えば「何のとりえもない」楽曲ですが、だからこそ美しい作品ともいえます。1780年から83年の間に作曲されましたから、ちょうどモーツァルトのピアノ協奏曲の後期の作品群と同じ時期といえましょう。そのモーツァルトに比べますとやはり落ちると言いますか、ちょっとだけ古臭いのですね。でも、演奏を聴きますとそれが何とも気にならないから不思議です。

次は第3番ですが、このブリリアントのものでは3楽章が一つのトラックに収まっています。ナクソスでは3つに分かれていたのとは対照的です。第1楽章と第2楽章の間はわずかの休止ですが、第2楽章と第3楽章は完全につながっていますから、そうなったのだと思います。こういった構成を観ますと、ベートーヴェンの「皇帝」の成立は必然なのだなあという気がします。

3曲目が初めて聴く第4番です。どうやらブックレット(英文)をさらっと読んでみますと、第3番とともに1784年ごろに作曲されたようです。ちょうどそのころ、パイジェッロの音楽はハイドンモーツァルトに影響を与えていまして、特にモーツァルトのオペラには様々な影響を与え、またパイジェッロも影響を受けたようです。そういえばこの第4番は彼のピアノ協奏曲の内唯一の短調ト短調)ですし、前2曲と比べますと転調が素晴らしくなったりと雰囲気がまるで違います。

4曲目は第7番です。成立年はブックレットには書かれていません。不明なのだと思います。3楽章ですが第2楽章と第3楽章がつながっていて、しかもとても短いのが特徴ですが、転調はある程度の気品とモーツァルト的なものがありますので、恐らく1780年代の作品だと思います。それにしても第2楽章と第3楽章が4分ほどっていうのはとても短いですね。まるで緩徐楽章が第3楽章の序曲のような感覚すら受けます。そういえば、ベートーヴェンも第3番や第4番、そして第5番「皇帝」では緩徐楽章はもっと長いですしバランス的に釣り合いが取れていますが、第3楽章のロンドの序曲的な役割を果たしています。こんな点を見つけられるのも、おパイジェッロの音楽の魅力だと思います。

演奏はとても実直で、しかし軽いものとなっています。それが音楽にしなやかさと力強さを与え、気品と気高さをかもし出しています。また、ピアノとオケの音のバランスもよく、時代感覚にも優れています。恐らくモーツァルトでも、まったく遜色ないでしょう。ピアニストのスパーダはARTSレーベル(実はこのCDはもともとARTSレーベルなのです)から録音を数多く出していまして、古典派の作曲家を中心に演奏しています。ぜひともモーツァルトが聴きたいなと思うのは私だけなのでしょうか。

ピエトロ・スパーダ - Pietro Spada (1935-)
http://ml.naxos.jp/artist/143493

オケも小編成だと思うのですが、ピアノととてもよくアンサンブルしています。とてもいいセッションだと思います。



聴いているCD
ジョバンニ・パイジェッロ作曲
ピアノ協奏曲第1番ハ長調
ピアノ協奏曲第3番イ長調
ピアノ協奏曲第4番ト短調
ピアノ協奏曲第7番イ長調
ピエトロ・スパーダ(ピアノ)
オルケスタ・ダ・カメラ・ディ・サンタ・チェチーリア
(Brilliant Classics 94224/1)



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