かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:ブカレスト・フィルのブラームスピアノ協奏曲第1番・運命の歌

今回のマイ・コレは、ブラームスのピアノ協奏曲第1番と「運命の歌」です。クリスティアン・マンデール指揮、「ジョルジュ・エネスコ」ブカレスト・フィルの組み合わせで、これも前回と同じレーベルのCDとなります。

当時、その破格の安さから以前から買いたかったがなかなか手が出なかったという作品をこの際だから一気に買ってしまえ!という感じで確かこのピアノ協奏曲までの4枚を買った記憶があります。それだけ買っても当時の国内盤一枚分なのですから・・・・・

ここまで、ルネサンスの曲もご紹介してきましたが、当時一気に聴く時代や作曲家が増えて、興味が爆発的に増えていったことから、手元が足りなくなる恐れが出ていました。それに加え、景気は芳しくない。そういったことがこういったCDを買う動機にはなっていました。今では、それであればもっと買っておくべきだったと後悔しています。

それだけの演奏がここにはあります。

ブラームスのピアノ協奏曲第1番は、ブラームス25歳のときの作品で、若い時の作品であるがゆえにいろんな不完全な部分を持つと言われていますが、それが逆に難しい点でもあります。それが故に、聴き手にはとても人気があります。

ピアノ協奏曲第1番 (ブラームス)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC1%E7%95%AA_(%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9)

一番驚くのは、第1楽章の導入部でしょう。何が始まったのかと思わせる主題。しかし静かに入るピアノ。激しいながら、とてもロマンティックな曲です。それが故にピアニストには指を痛める危険性がありながら人気もある曲です(逆に、オーケストラには不人気のようで・・・・・)。

そういった点があるこの曲をいとも簡単に演奏しきるこのオケは、やはり只者ではありません。この曲は、ウィキの説明にもありますがピアノとオケが対等なのですね。ある意味古典派の協奏曲的なのですが、古典派が会話するのだとすれば、この曲はあきらかに競い合っています。それだけに、ピアニストだけではなく、オーケストラにもそれなりの技術と覚悟が必要になります。

だからこそ、私はピアニストではなく、オーケストラに焦点を当てたいのです。この只者ではない曲をいとも簡単にアンサンブルしてしまうこのオケも、只者ではありません。

そしてカップリングの運命の歌も、そういった只者ではない点を浮かび上がらせています。テンポとしては実はちょっと遅めで、私が持っている運命の歌の演奏の中ではあまり好きなものではないんですが、それでもこのオケが只者ではない点が、やはりアンサンブルなのです。

運命の歌は前半、まるで天国を夢見るかのごとくの、ゆったりとした音楽で始まりますが、後半はテンポアップして、まるで滝が下へ落ちるかのごとく、激しい音楽となります。その部分で有名オケですらアンサンブルが崩壊する場合があるのです。それをいとも簡単に合わせてしまっているのです。

この点は今聴きましてもうなります。この曲を歌った経験があるからこそ、その部分の難しさは体で知っていますが、和声がもともとこの曲は複雑で、それを変わるテンポの中で合わせていかなくてはならないのです。まず合唱団のアンサンブルがその点で完全で秀逸。そして、それをサポートしているオーケストラも完璧です。

以前ご紹介したアバド/ベルリン・フィルの演奏が一番好きなのですが、残念ながらその演奏はこの激しい部分で一部崩壊しています。それでも、演奏から伝わってくるエネルギーがあるからこそ好きなのであって、演奏自体はこちらのほうが素晴らしいと言えましょう。ただ、少し力強さに欠ける部分があるのが残念です。特に合唱団に・・・・・・オケは本当に素晴らしいです。

ハンガリーは歴史的にオーストリアと関係が深いだけあって、そのオーケストラの実力も只者ではありません。それはハイドンでご紹介しているフィルハーモニア・フンガリカもそうですが、ウィーンのオーケストラに勝るとも劣らない演奏を披露してくれます。



聴いているCD
ヨハネス・ブラームス作曲
ピアノ協奏曲第1番ニ短調作品15
「運命の歌」作品54
ヴォルフガング・マンツ(ピアノ)
クラウゼンブルク・フィルハーモニー管弦楽団合唱団
クリスティアン・マンデール指揮
「ジョルジュ・エネスコ」ブカレストフィルハーモニー管弦楽団
(BMG Arte Nova BVCC-6061)



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