神奈川県立図書館所蔵CDハイドン交響曲全集の今回は第29回目。第90番と第91番の2曲です。
今回も以下のサイトと、ウィキペディアを参照しています。
ハイドンの交響曲
http://www.kanzaki.com/music/mw/sym/haydn
この2曲に共通した特徴は、第1楽章に序奏がついているという点です。しかし、2曲にはそれぞれ異なる特徴がちりばめられています。
まず、第90番です。
http://www.kanzaki.com/music/perf/hyd?o=Hob.I-90
ハ長調という聖なる調を使った交響曲で、1788年の作曲です。第1楽章の転調、そして第4楽章の偽終止など、特徴はたくさんあります。
交響曲第90番 (ハイドン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC90%E7%95%AA_(%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3)
ウィキの説明では、第4楽章の偽終止は録音ではわかりにくいがと書かれていますが、この演奏では比較的分かり易いものとなっています。特に後半、主題再現部が偽終止で終わってから、コーダへと続く部分でははっきりと偽終止が告げられています。
こういった部分が、この演奏ではとても好感がもてる点です。
いわゆる「ドーニ交響曲」ですが、こう聴いてきますと、その区分よりもやはり「パリ交響曲」期という区分のほうが分かり易いように思います。その時期の作品が明らかに次の「ロンドン交響曲」へとつながっていくからです。
次に、第91番です。
http://www.kanzaki.com/music/perf/hyd?o=Hob.I-91
交響曲第91番 (ハイドン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC91%E7%95%AA_(%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3)
地味だという説明になっていますが、その割にはいろんなびっくり箱がちりばめられています。第1楽章の偽終止のような主題展開部、そして第4楽章の転調など、あげればきりがありません。ハイドンの熟練をここにみることが出来ます。
あきらかにモーツァルトからの刺激を自分らしく処理をして、あくまでも自分の音楽を貫き通しているその姿勢は、音楽にもそういったいろんな「仕掛け」として表れていて、聴き手を飽きさせません。
それを本当に疾走して演奏し、なおかつアンサンブルが完璧というこの演奏は、ピリオドが当たり前の現代においてもなお、評価していい部分だと思います。どこのサイトでもこのモダンの演奏は取り上げる人が少ないのですけどね・・・・・
私としては、とても模範的な演奏をしているように思います。まずはこの演奏を聴いたうえで、ピリオドをきいたほうが楽しみは倍増するように思うのですけどねえ。
意外にも、ピリオドには爆演系が多いのですよ、ハイドンなどでは。そういった点に気づきますと、またハイドンを聴くのも楽しいものなのです。
聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第90番ハ長調Hob.I-90
交響曲第91番 変ホ長調 Hob.I-91
アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
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