かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ハイドン交響曲全集10

神奈川県立図書館ハイドン交響曲全集の今回は第10回目です。収録曲は第36番から第39番までの4曲です。

今回も以下のサイトを参照しています。

ハイドン交響曲
http://www.kanzaki.com/music/mw/sym/haydn

まず、第36番ですが、1761年から62年にかけて作曲されたとされています。4楽章制でソナタ形式をもつ古典派らしい交響曲です。演奏は颯爽としていまして、特に第2楽章はサイトがいうほど眠くはなりません。まあ当時はこれでも眠くなったかもしれませんが・・・・・

当時はリタルダンドってあまりないですから、ゆっくりと言ってもそれなりのテンポではあるわけなんですね。ですので、もしかするとこのドラティくらいの速さが適当なのかもしれません。時折聴こえるチェンバロもいいアクセントになっています。

第37番は1757年から58年にかけて作曲されたとされています。つまり第36番よりも前の作品になります。しかも、この第37番は実はハイドン交響曲としては第2番目の作品です。しかしすでに4楽章制をとり、楽章構成も緩徐楽章とメヌエットがひっくり返っているだけで通常の交響曲の構成となっています。

演奏はこれも疾走感がありますが、落ち着いた印象も受けます。もともとこの曲にはトランペットとティンパニは使われないようで、この演奏もそれにのっとっています。

第38番は1767年に作曲された4楽章制の交響曲です。並んでいる第37番からは約10年たっている作品です。時期区分も「シュトゥルム・ウント・ドランク期」、つまりハイドンエステルハージ家の楽長に就任した時期になります。しかもこの曲はその第1弾なのです。いきなり4楽章でソナタ形式を備え、音を反復もさせるという凝ったことをやっていまして、そのため「こだま」という標題がついています。第4楽章では対位法的な表現がアクセントを加えています。

それにしても面白いのは、第37番と第38番はともにハ長調であるということです。ハ長調交響曲モーツァルトでもそれほどないですし、ベートーヴェンに至っては皆無です。宗教曲では聖なる調であるハ長調を存分に使うハイドンという存在を、私たちはもう一度見直してみる必要があるのではないかと思います。

第38番の演奏も疾走感あふれるものでかつ浮ついたものがありません。端整かつドラマティック。これはなかなかピリオドでは難しいように思います。いや、ピリオドだってとてもいい演奏はありますので優劣の問題ではないことを付記しておきたいと思います。サイトであげられている演奏はほとんどがピリオドになっていますので・・・・・モダンのこのドラティだっていいと思うのですから取り上げるのです!

第39番は1765年の5月からおそらく9月にかけて作曲されたとされている4楽章形式の交響曲です。時期的にはエステルハージ家の楽長に就任する直前の時期に当たり、かなりソナタ形式等がふんだんに使われてくる時期に当たります。そんな時期に書かれたこの曲はなんとト短調。サイトでも言及がありますがモーツァルトの第25番や第40番とおなじ調性なのです。

音楽もそのせいかとても情熱的というか激しい面がありまして、しかも堂々としています。ここで音楽が高みへ登るといいますか、それまでの音楽とは一線を画するものになります。こういう曲がありますと本当に番号順ではなくハイドンの場合は確実に「作曲順」に聴くということをやっても面白いと思います。いずれそんなエッセイを書こうと思います。

演奏もそれをストレートに反映させているものになっています。特に木管が渋く、アクセントになっています。ドラティはその上端整でですが、ピリオドではどれほど激しくなるのでしょうか。聴き比べてみても面白い曲だなあと思います。



聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第36番変ホ長調Hob.I-36
交響曲第37番ハ長調Hob.I-37
交響曲第38番ハ長調「こだま」Hob.I-38
交響曲第39番ト短調Hob.I-39
アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリ



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