かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ハイドン交響曲全集8

神奈川県立図書館ハイドン交響曲全集の今回は第8回目です。第29番から第32番となります。第29番から第31番まではエステルハージ家福楽長時代、そして第32番はモルツィン伯爵家時代の作品です。

今回も以下のサイトを参考にしています。

ハイドン交響曲
http://www.kanzaki.com/music/mw/sym/haydn

まず第29番ですが、1765年に作曲されました4楽章の交響曲です。楽章構成的には急〜緩〜メヌエット〜急となっていまして、完全に古典派です。のどかな音楽で始まりますがそのうちテンポアップ。のびやかな音楽が繰り広げられます。

第4楽章はまるで第1楽章のような印象を受けるほどの堂々とした曲で、その点がびっくり箱と言えるかと思います。後は参照したサイトの解説通りだと思います。

2曲目の第30番は「アレルヤ」という標題が付けられていますが、第1楽章に含まれるグレゴリオ聖歌に由来します。1765年の作曲で、これは3楽章の曲です。楽章構成も伝統的な3楽章に基づいていまして、特に何かしてやろうという意図は感じられません。真面目でかつのびやかな音楽が支配します。しいて言えば第2楽章に「仕掛け」を感じますが、しかし聴いている範囲内ではそれが分からないようになっています。

第3曲目の第31番は「ホルン信号」という名前がついています。これはホルンが軍隊のラッパ信号のように鳴り響くことから名づけられています。1765年の作曲で、4楽章。実はここまでの3つは連作です。番号が入り乱れているこの時期としては珍しいものとなっています。楽章構成も古典派していますし、形式的にも全く古典派です。それだけに美しい作品でかつ「ホルン信号」が効果的につかわれているので、とても堂々とした作品になっています。第4楽章はサイトでも言及がありますが変奏曲となっていまして、のちにモーツァルトベートーヴェンが真似するものです。こういった点からもハイドンの作品はとても意義深いものをたくさん含んでいます。

第4曲目の第32番は遡った1760年の作曲で、上述しましたがモルツィン伯爵家の時代の作品です。楽章形式としては古典派にすでになっていますが、注目すべきはメヌエットが第2楽章に来ているという点です。このようなことはすでにご紹介した弦楽四重奏曲でかなりありました。しかし交響曲ではここまであまりやっていません。まるでハイドンにとってこの時期からは交響曲弦楽四重奏曲のようです。そういえば、私が尊敬するmusikerさんがメルマガでベートーヴェン交響曲で実験し弦楽四重奏曲でその結果を反映させたと述べていたことを思い出します。ハイドンもそのスタンスなのかもしれません。もしそうであるとするならば、ベートーヴェンがそれにならったと考えることもできるかもしれません。

演奏としては、特に第29番はチェンバロが活躍していまして、それがはっきりと聴こえてきます。他もアンサンブルが秀逸で、なおかつ筋肉質な演奏です。モダンなのにピリオドと比べてそん色ない演奏ではないかと思います。



聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第29番ホ長調Hob.I-29
交響曲第30番ハ長調「ハレルヤ」Hob.I-30
交響曲第31番ニ長調「ホルン信号」Hob.I-31
交響曲第32番ハ長調Hob.I-32
アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリ



このブログは「にほんブログ村」に参加しています。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラスへ
にほんブログ村

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。