かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:C.シュターミッツ クラリネット協奏曲第1集

今月のお買いもの、4つ目はカール・シュターミッツのクラリネット協奏曲集です。ナクソスから出ているもので、これは第1集となります。

まず、カール・シュターミッツについての説明をしなくてはならないでしょう。なかなか詳しい説明はなく、ネットではかろうじてウィキに記載があります。

カール・シュターミッツ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%84

また、以下のようなサイトもあります。むしろ、説明文はありませんがこのほうが分かり易いのではないかと思います。

http://spysee.jp/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%84/31007/

よくある説明では、彼の音楽の特徴をギャラント様式あるいは多感様式と記載するものなのですが、少なくともナクソスの英語解説を読む限り、そのような記載はありません。むしろ初期古典派という説明ばかりです。

恐らくそれは父F.シュターミッツと混同しているのだと思います。父ヨハンはいわゆるマンハイム楽派の開祖でありますから、そちらのイメージがあるのだと思います。しかしこのクラリネット協奏曲を聴く限り、私はやはりナクソスの英語解説の通り初期古典派であろうと思います。

そもそもその生年および没年(1745年5月7日 - 1801年11月9日)を考えた時、ギャラント様式ってことはないだろうと思います。その影響を受けていることは間違いないでしょうが、様式的にはソナタ形式もありますし、むしろ初期古典派のカテゴリーに入れるべきだろうと思います。

さて、その音楽ですが、まずクラリネット協奏曲第1番はクラリネットの温かい音色がホールを包み込むような印象です。確かに音楽的に何か特徴があるというわけではないのですが、なんだか懐かしいというか、人懐っこい感じを受けます。特に印象的なのは第1楽章のカデンツァと第2楽章のアインガングです。なんと美しく、そして温かいのでしょう。技巧ではなくオケとソリストが会話するというモーツァルトの時代まで残っていた古き良き伝統をここにみることが出来ます。

そのせいなのかもしれません、ギャラント様式と勘違いするのは・・・・・

第2曲目の2つのクラリネットの協奏曲と、3つ目のクラリネットファゴットのための協奏曲は、協奏交響曲のスタイルを模しているとあるのですが、私としては3曲目は協奏交響曲にしか聞こえません。しかし面白いことに、CDDBでは2曲目は「シンフォニア・コンチェルタンテ」、つまり思いっきり協奏交響曲なんですね。どちらが正しいのかはにわかにはわかりかねますが、私が聴いた範囲内では、2曲目は確かに協奏交響曲を模したものですが、3曲目は協奏交響曲だと思います。

協奏交響曲とは、複数楽器のヴィルトォーゾを楽しむ協奏曲でして、それがベートーヴェンの時代に単独複数関係なく楽器による単なる協奏曲となります。それでも、この時代特有の会話する形式を大幅に超えてはなくて、むしろソリスト同士の会話を楽しみながらそこにオケのアンサンブルが入ってくるというものなので、温かみがありかつ美しいものとなっています。

まさしく、BGMにぴったり!

だからこそ、現在ではあまり顧みられなくなったようにも思えます。もっと精神性があり高い技術を要する曲がたくさん作曲されましたので。しかし、アンサンブルをじっくりと楽しむというこの時代の音楽は、むしろ現在においてポピュラー音楽が全盛だからこそ、もっと顧みられてもいいように思います。

実際、何度聴いても飽きることがありません。以前より申しておりますが、聞き流せる音楽ほど伝播力は強いもの、なのですから・・・・・

そのせいで一財産築いたせいなのか、カールの晩年は借財まみれだったそうで、もったいないなと思います。ハイドンが同時期、真面目に音楽を残していたのと正反対です。

そう、彼はハイドンと同じ時代なのです!だからこそ、ギャラント様式と決めつけるべきなのではないのではと思います。むしろ、ハイドンよりは前衛的ではないが、ともに古典派の扉を彼なりの姿勢でこじ開けていったようにも聞こえてきます。

できれば、第2集も聴きたいものですね〜♪オケであるエステルハージ・シンフォニアのサポートも素晴らしく、このオケの安定感は抜群です。



聴いているCD
カール・シュターミッツ作曲
クラリネット協奏曲第1番ヘ長調
2つのクラリネットのための協奏曲変ロ長調
クラリネットファゴットのための協奏曲変ロ長調
カールーマン・ベルシュケ(クラリネット、指揮)
高嶋友子(クラリネット
岡崎耕治(ファゴット
ニコラウス・エステルハージ・シンフォニア
(Naxos 8.553584)



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