かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ヨハン・シュターミッツ 交響曲集第1集

今月のお買いもの、平成27年4月に購入したものをご紹介していますが、今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、ヨハン・シュターミッツの交響曲集第1集を取り上げます。レーベルはナクソスです。

シュターミッツ親子を取り上げるのはずいぶん久しぶりになります。以前、息子のカール・シュターミッツは2度取り上げています。

今月のお買いもの:C.シュターミッツ クラリネット協奏曲第1集
http://yaplog.jp/yk6974/archive/582

今月のお買いもの:C.シュターミッツ チェロ協奏曲集
http://yaplog.jp/yk6974/archive/854

カールも追いかけていきたい作曲家の一人なのですが、何分作曲数が多いもので・・・・・その割には、録音はまだまだ少ないという現状があります。

そんな中で、中古市場に、何と父ヨハンの交響曲集が二つも出ていたのですから、これは食指が伸びないわけにはいきませんでした。値段も当然、中古なのでとってもリーズナブルですし。

交響曲が好きな人だったり、或は交響曲について論評したい人は、ヨハンなどシュターミッツ親子など、マンハイム楽派を避けて通ることは出来ません。なぜなら、マンハイム楽派こそ、交響曲を形づくったからであり、その代表人物こそ、今回から2回にわたって取り上げる、ヨハン・シュターミッツなのです。

ヨハン・シュターミッツ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%84

時代的には、前期古典派と呼ばれる時代の作曲家であり、多感様式(ギャラント様式とも言う)の作曲家としてカテゴライズできるでしょう。ハイドンよりも前の時代の作曲家であり、私などは個人的に「ハイドンを用意した人物」と位置付けています。

100曲に及ぶ交響曲ハイドンは作曲しましたが、その様式はまさしくマンハイム楽派が形づくったものです。「パパ・ハイドン」は実は交響曲の父ではなく、ヨハン・シュターミッツこそ「交響曲の父」と呼ぶにふさわしいでしょう。だからこそ、私はヨハン・シュターミッツを「ハイドンを用意した人物」と位置付けるわけです。

帯びには、交響曲が4楽章であるのもこのヨハンが形づくったとありますが、ヨハンの時代に固まったわけではなく、あくまでも発祥がです。2曲目までは4楽章ですが、その後は3楽章の作品が並んでいます。つまり、ヨハンの時代はまだ交響曲は4楽章と固まったわけではないのです。あくまでもそれはベートーヴェンの時代を待たねばなりません。

その意味では、ヨハンが形づくった様式は、少なくともモーツァルトまではあまり進歩がなかったと言えるでしょう。ただ、旋律等はヨハンの時代とモーツァルトとでは差が出てきます。特に、モーツァルトの晩年とヨハンが活躍した時代とでは、雲泥の差です。しかし、基礎的なものは何も変わっておらず、それはベートーヴェンでも一緒です。

だからこそ、ヨハンの作品を聴く意味があるのです。演奏を聴けば、古くさいと感じるでしょうが・・・・・

それでも、クレッシェンドで盛り上がっていく様式などは、モーツァルトベートーヴェンで多用されるもので、しっかりと受け継がれて発展されています。1740〜50年代に作曲された収録作品たちで現れている様式が、その50年〜60年後の作曲家に確実に受け継がれ、時代に合わせて改良されていく・・・・・そのさまを、このアルバムで確実に見ることが出来ます。

演奏はその時代を反映してなのか、それほどリフレインを弱くしてはいませんが、それでも古典派に合わせリフレインは弱くなっています。ギャラントなこれらの作品を、ことさら大袈裟に表現することもなく(大袈裟にはおそらくできにくいでしょう)、淡々と流れていくのに、徹頭徹尾音楽に喜びがあふれていることを、さらりと表現するあたりはにくいですねえ。気品と知性を感じます。

このアルバムを聴けば、おや、この様式どこかで聞いたことあるぞ、というものが沢山あるかと思います。かといってそれは他人の借用というわけではなく、ヨハン・シュターミッツのオリジナルであるということを知れば、驚きと発見で聴いているうちに喜びに満たされることでしょう。




聴いているCD
ヨハン・シュターミッツ作曲
交響曲ニ長調作品3-2
交響曲変ホ長調作品11-3
交響曲ト長調
交響曲イ長調
交響曲変ロ長調
トリオ ホ長調作品5-3
ドナルド・アームストロング指揮
ニュージーランド室内管弦楽団
(Naxos 8.553194)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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