かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:大バッハの息子達5

神奈川県立図書館所蔵CD大バッハの息子達シリーズの第5回目は、ヨハン・クリスティアン・バッハの第2回目です。協奏交響曲を取り上げます。ポプル指揮、ロンドン祝祭管弦楽団他の演奏です。

なぜ、このシリーズで協奏交響曲が集中して取り上げられているかといいますと、彼は人生の後半生をロンドンで過ごしたから、なのです。

ヨハン・クリスティアン・バッハ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%8F

ここで思い出していただきたいのが、ハイドンもやはりロンドンで協奏交響曲を書いているということなのです。以前このブログでも2回取り上げていますが、ロンドンでは協奏交響曲がはやっていました。実はそのきっかけを作ったのは、このヨハン・クリスティアンのような少し前の作曲家たちでした。

協奏交響曲 (ハイドン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%94%E5%A5%8F%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2_(%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3)

協奏交響曲
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%94%E5%A5%8F%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2

本当はウィキの説明を上げたくないのですが・・・・・あくまでも、協奏交響曲とは、協奏曲の一ジャンルだからです。もともと、交響曲が3楽章になったのこそ、協奏曲から進化したものだからです。一楽章しかなかった序曲のようなシンフォニアを協奏曲のようにしたのが、3楽章の交響曲であり、その進化の過程で分化したジャンルが協奏交響曲だからです。そしてその歴史に大きな役割を果たした一人が、ヨハン・クリスティアン・バッハだったのです。

こんなことを言っている方もいらっしゃいます。

Le Concert de la Loge Olympique
協奏交響曲といえばJ.C.バッハだッ!(`・ω・´)
http://olympique.blog122.fc2.com/blog-entry-598.html

いやあ、私が常々主張してきたことそのままです。文章の感じが異なるだけです。何か同志がいるような気がして、嬉しくなります^^

その上で、この音源ではさりげなくヨハン・クリスティアンの独自性も主張しています。後半2曲は2楽章しかなく、しかもそれは伝統的な3楽章がつながったのではなく、全く新しい発想によるものなのです。

二つとも共通するのは、第1楽章に緩徐楽章を採用しているという点です。その上、それぞれ二つのヴァイオリン、ヴィオラオーボエ、ホルン、チェロのための協奏交響曲変ホ長調では、第2楽章も緩徐楽章を採用しているのです。

では、急楽章を抜いたのかと言えば、調べてみた限りそうでもありません。第1楽章は緩徐楽章であるにもかかわらずソナタ形式を具えていますので明らかに第1楽章として作曲しています。これは様式的にはかなり注目すべき作品だと思います。作品が地味なのであまり目立ちませんが・・・・・

だからこそ、上記サイトでも抜けているのでしょう。いや、恐らく主様は聴いているはずです。しかし、協奏交響曲では該当エントリしかヒットしなかったことからしますと、抜けているかもしくはまだこれから紹介する予定のどちらかだろうと思います。

いやあ、私も久しぶりに聴きましたが、これはすごい作品を借りてリッピングしてあるんだなと、自分自身の嗅覚に驚きを隠せません。単に棚に並んでいただけなんですけどね、元音源のブリリアントのボックスの中に。それは編集面での高い知識を感じざるを得ない、優れた全集だと言えるでしょう。

演奏もモダンの割には決して派手ではなくむしろ端整ですが、それ故ビンビン各作品の非凡さ、特に後半2曲の特異さをきわだたせています。それにしてもさりげなすぎます、これ。

このアルバムをきっかけに、今わたしははっきりと、ヨハン・クリスティアンの協奏交響曲交響曲、そして協奏曲には興味をはっきりと覚えたように思います。特に協奏曲に関しては、やはり大バッハカール・フィリップのように編曲もやっているようですが、それはあくまでもチェンバロフォルテピアノへということらしいです。しかし、その編曲はとても重要です。時代は鍵盤楽器と言えばチェンバロからフォルテピアノへと移って行く時代で、チェンバロ通奏低音としてのみ使われるようになり、やがてその役割も終えようかという時代になるのです。つまりそれは、ヨハン・クリスティアンの先進性を意味するのです。

その上で私が興味あるのは、調性です。果たして、カール・フィリップ・エマヌエルのように同じなのか、それとも異なるのか・・・・・

今後、そんなことをご紹介することが出来ればいいなあと思います。何分、ヨハン・クリスティアンに関してはネット上にきちんとした作品一覧がなく(HMVのCD検索用のみ)、そのため調性が変わっているのかどうかを確かめるすべがないからなのです。まあ、HMVのそれを使ってできないことはないとは思いますが・・・・・やはり大変です。こういったものはCDを購入してしまうのが一番です。たとえ重複してしまっても・・・・・

楽器さえ、異なればいいのです。案外、同じブリリアントからすでに出ていたりするかもしれません。



聴いている音源
ヨハン・クリスティアン・バッハ作曲
二つのヴァイオリンとチェロのための協奏交響曲ト長調
二つのクラリネットバスーンのための協奏交響曲変ホ長調
ヴァイオリンとチェロのための協奏交響曲イ長調
それぞれ二つのヴァイオリン、ヴィオラオーボエ、ホルン、チェロのための協奏交響曲変ホ長調
ロス・ポプル指揮
ロンドン祝祭管弦楽団



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