かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:モーツァルトと同時代の作曲家シリーズ ロゼッティ

今月のお買いもの、今回はボヘミア(現在のチェコ)の作曲家、ロゼッティの交響曲集です。バーメルト指揮、ロンドン・モーツァルト・プレーヤーズの演奏になります。

ロゼッティって何者?という、ア・ナ・タ。私もそうでしたから恥ずかしくなんかありませんよ〜。とても簡単な説明がウィキに載っています。

フランティシェク・アントニーン・レスレル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%83%AB

え、名前が違うじゃん!という、ア・ナ・タ。はい、その指摘は正しいです。本名はフランティシェク・アントニーン・レスレルと言いまして、1773年にアントニオ・ロセッティ(あるいはロゼッティ)に改名したのです。

私もウィキ同様、ロゼッティで述べさせていただきます。

この方、当時はとても有名人だったようで、しかも多くの作品を残していますが、演奏機会があるのは出版された6つの交響曲といくつかの協奏曲のみ。そして、その6つの交響曲というのが、このアルバムで収録されている作品4つなのです。

彼が活躍した時代はまさしくモーツァルトハイドンと言った作曲家たちがひしめく時代でした。単なる物まねで終わった方もいれば、それだけにとどまらず自分の世界をしっかりと形成していった人もいまして、ロゼッティは後者に当たると思います。

聴きますと、その音楽はハイドンに近いですが、さわやかな風が通り抜けるようなその流れはモーツァルトにも通じるもので、しかもこの6曲に関しましてはすべて4楽章形式となっています。モーツァルトが3楽章形式も多いことを考えますとこれは意外です。すべて1770年代に作曲されているにも関わらず、たった6曲とはいえそのすべてが4楽章ということから考えましても、当時彼がいかにモーツァルト以上の名声を誇っていたかがわかります。

2曲目のト長調第1楽章では、ハイドンモーツァルトの音楽を自分のものとした跡が、休符の使い方から見え隠れします。それがまた物まねっぽくなくて、聴いていてとても心地よい音楽が流れてゆきます。

単なる物まねって、それが嫌味になることが多いのですが、それがロゼッティに関しては一切ないんですね。むしろ、ハイドンの曲は軽薄で・・・・・・なんて思っている方には、私はロゼッティをお勧めします。決して軽薄ではないその軽妙さと、さわやかさ。4楽章形式という重厚さ。ある意味、ハイドンを超えているのかもしれません。

そういえば、4楽章形式を作り上げたシュターミッツもボヘミア出身。そんな派閥が当時あったのかもしれませんね。

オケがまた「正しい軽さ」で一貫して演奏しており、ヘンに力を入れずその上で力を入れるべき部分にはきちんと力を入れるという、とても端正な演奏をしてくれています。モダンなのですがそれもまたいいですね。まずモダンで聴いてみて、それからピリオドで聴いてみますと、また違った世界が広がってくるように思います。

指揮者バーメルトが余計なことをしていないのも共感できます。それゆえに、ロゼッティの音楽が決して軽薄ではないということを十分証明しています。

楽しい曲は、意外と真面目に作られているものなのですから。



聴いているCD
アントニオ・ロゼッティ作曲
交響曲ニ長調A12/K112
交響曲ト長調A40/K122
交響曲ハ長調A9/K121
交響曲ヘ長調A33/K124
マティアス・バーメルト指揮
ロンドン・モーツァルト・プレーヤーズ
(Chandos CHAN9567)