かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:メンデルスゾーン ピアノ協奏曲第1番・第2番、2台のピアノのための協奏曲

今月のお買いものは、まず横浜の輸入CD店で購入しました、メンデルスゾーン作曲のピアノ協奏曲集です。ゲオルギュー、レイスコヴァとレイシェクのピアノ、ケーゲル/ライプツィヒ放送響およびハインツ・レークナー/ベルリン放送交響楽団の演奏です。レーベルはベルリン・クラシックス

今月は年末ということもありまして予算をほぼ1.5倍の7000円とし、山野のポイント割引を使って実際には8000円分を購入する計画を立てまして、この店では1000円台のものを2枚買うつもりでいたのですが、その値段ではちょっといいものがありませんで・・・・・この一枚だけになってしまいました。

とはいうものの、メンデルスゾーンのピアノ協奏曲はマイナーとは言わないまでも、日本では演奏機会があまりない曲だと思います。ですから、私も見つけた時に「え?メンデルさんのピアコン?」と首をかしげてしまったほどです。しかし、CDがあるわけですから確かに存在するわけです。

これが聴いてみますと、まず第1番はのっけからヴィルトォーソの雰囲気を漂わせ、オケもピアノもガンガンに鳴らしていきます。それでいて流れる音楽!こんな素晴らしい音楽を私は放置していたのか!と目から鱗が取れた曲です。演奏自体も激しさの中に利性も失わず、とてもバランスのいい内容となっています。形式的には楽章がすべてつながっていまして、3楽章をひとまとまりとして弾きつつ、各楽章を際立たせるというメリハリが要求される、素晴らしいものです。

その点では、後年リストが作曲するピアノ協奏曲へもつながってゆくロマン派の素晴らしい作品と言えるでしょう。第2番も全く同様に連結されていまして、メンデルスゾーンの音楽の守備範囲の広さを物語ります。

私たちはメンデルスゾーンと言いますと、ヴァイオリン協奏曲や交響曲、序曲等で管弦楽、特に弦楽作品を想像しがちですが、実は合唱界ではなんといっても宗教曲でして、エリアや詩編など、素晴らしい曲を数多く残しています。さらには、バッハの「マタイ受難曲」の復興に力を入れた人でもありまして、もともと指揮者であることからその演奏にも資力した人でもあります。

まさしく万能。モーツァルトの再来と言われるのも納得です。それをまた感じますのが2台のための協奏曲でして、これがまた会話というよりそれぞれのピアノが「相まみえる」様相を呈していまして、かといってそれが過度にドラマティックでもない点が聴きどころです。

各ピアニストが力の入れ具合が抜群でして、それがとても心地よいのです。特にゲオルギューは抜群で、それをサポートするケーゲル/ライプツィヒ放送響もしっかりとしています。第1番の第1楽章はまるで嵐のような音楽でフォルテのまま怒涛のごとく音楽が奔流をなして流れてゆきますが、ゆったりとした第2主題では一転、力を抜いてのびのびとした演奏へと変わってゆきます。

ケーゲルと言いますとその演奏で多くのファンがいますが、私も最近ケーゲルの指揮にちょっとはまっている一人です。ケーゲル党とまではいきませんが、そのきびきびとしつつ魂がこもった熱のある演奏は、聴く者の魂をわしづかみにします。

こんな演奏に出会えるのが、輸入盤の魅力ですね。



聴いているCD
フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ作曲
ピアノ協奏曲第1番ト短調作品25
ピアノ協奏曲第2番ニ短調作品40
2台のピアノのための協奏曲ホ長調
ヴァレンティン・ゲオルギュー(ピアノ、第1番・第2番)
ヴェラ・レイスコヴァ(ピアノ、2台のための)
ヴラスティミル・レイシェク(ピアノ、2台のための)
ヘルベルト・ケーゲル指揮
ライプツィヒ放送交響楽団(第1番・第2番)
ハインツ・レークナー指揮
ベルリン放送交響楽団(2台のための)
(Berlin classics 0090272BC)