今年はコンクールイヤーといった感じで、各地でコンクールが開かれています。とくにそう感じるわけは、やはりオリンピックと同様の重みをもつショパンコンクールが開かれたことにもよるかなと私は思っています。
さて、最近はコンクールも動画で選考の様子を公開するようになりました。そのため、一部の人しか聞くことのできなかった、コンクールでの演奏の様子の一部始終が全世界へ公開されるようになりました。
コンクールが出来レース、などと言われる昨今ですが、そのようなものもあるでしょう。しかし、それであれば私はNHKの全国学校音楽コンクールの「女声偏重」を指摘したいと思いますし、それはすでに書いていますが、NHKを偏向だとおっしゃる方々からはまったく同意を得られていません。しかし、混声合唱団ではその批判は当り前です。
なぜ同意を得られないのかが、私は不思議でなりません。恐らく、単なる不満で終わっているのでしょう。
私は、やはり自分できちんと判断したいと思いますし、そのために、NHKもそうですが、こういいたいと存じます。
公開されているということを、上手に利用しましょう、と。
NHKのコンクールも、毎年「放送」されているからこそ、その判定の是非を問うことができるのであって、それをお蔵入りさせてはなりません。それでは、海上保安官の時には一体なんとおっしゃいましたでしょうか?
今年、二つのコンクールが本選の様子を動画で公開しました。ショパン国際音楽コンクールと、ジュネーブ国際音楽コンクールです。いっぽうではロシアのピアニストが、そして一方ではピアノ部門で日本人が優勝しました。
軽い国士の方々は、優勝したことで「日本はすごいんだ」と息巻くところでしょうが、コンクールがある程度「バイアス」がかかるものである、ということは承知しておくほうがいいのでは?と思います。そんな中で、ラヴェルを持ってきたからこそ、私は萩原さんを評価していますし、もちろんその演奏を聴いたうえで、素晴らしいと判断しています。
もっと、自分の耳で聴いたうえで、判断してほしいものです。
コンクール側も、密室で行わず、正々堂々と「どうぞ私たちの判断を皆さんで『ご判断』ください」と公開しているわけです。ショパンコンクールにおいては、現役のピアニストは甲乙つけがたい部分できまったとはっきりとおっしゃられています。
そういったことも評価せずに、単にコンクールが・・・・・というのは、私は承服いたしかねます。せっかく自分で聴ける「機会」があって、それを聴いて自分で判断できることができて、それを評価できることが認められているのに、残念なことだなあと思います。
だからこそ、優秀な人材は国外へと流失するのだなと、私は思っています。それで果たして音楽界の再生が可能かといえば・・・・・・
私は、人類が滅びるその日まで、100%不可能である、と断言します。