かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:剣の舞 管弦楽名曲集

今回の「マイ・コレ」は東京都交響楽団の演奏する管弦楽名曲集です。廉価盤で、当時1300円。確か、学生時代の最後に買ったCDだと思います。

収録されているのはどれも初心者むきとされる有名曲ばかりなのですが、私は天邪鬼で、そういう曲ほど遠ざけていたんですね。でも、それではいけない!と思って買い求めたのがこの一枚です。

最初のシャブリエの狂詩曲「スペイン」は、とても南欧の雰囲気たっぷりな曲で、当時から今でも好きな曲です。ただ、このシャブリエさん、フランス人なんですね。まあ、お隣どうしといえばそうですが・・・・・彼がスペインへ旅行へ行ったときの印象をもとに書かれた曲です。

第2曲のボロディン中央アジアの草原にて」は、音楽鑑賞の時間でもよく取上げられる曲だと思います。実際、私もそれで聴いて好きになったからこそ、このCDを買ったのですが^^;とても雄大で、のんびりとした音楽ですが、これでもってボロディンがそんな作曲家であると思ってはいけません。私はそれを後に「だったん人の踊り」で強烈に教えられることになります(しかも、合唱つきで)。

第3曲、スッペ(あるいはズッペのほうがいいのでしょうか?)の軽騎兵序曲はもう本当に有名すぎるほどです。ただ、この曲実際にオペレッタの序曲であり、ベートーヴェンが書いたような音楽劇などの序曲でありません。本編以上に人気で、オペレッタは一体どこへ行った?

第4曲目はヴェルディの「椿姫」から、第一幕への前奏曲。これも実は目立ちませんが買うときに気になった曲なのです。つまり、ワーグナーと同じ「ライト・モティーフ」の流れを汲むヴェルディのオペラの「前奏曲」なのです。これだけでもヴェルディワーグナーの「楽劇」の影響を強く受けていた証拠でもあります。この後、社会人になってから私はこれがきっかけでヴィデオにヴェルディも撮りまくることになります。

第5曲から第7曲まではハチャトウリャンの「ガイーヌ」からの抜粋。第5曲めが、タイトルにもなっている超有名な「剣の舞」。これが聴きたくて買ったものでもありますが、いやいや、そのほかの2曲も聴いてくださいまし。「剣の舞」からは想像できない、民族色豊かな音楽にふれることが出来ます。特にお勧めは実は第7曲目の「バラの乙女達の踊り」です。アンサンブルを得意とする都響のアクセントのつけ方が絶妙です。

第8曲目はこれも有名な、ヴォルフ=フェラーリの「マドンナの宝石」。ライトクラシックには必ずといっていいほどついてくる名曲です。ただ、これがオペラの間奏曲(インテルメッツォ)であるということは私はこのCDで始めて知りました。この曲もいまや本編以上に人気ですね。というより、本編が日本で上演されることってないような気が・・・・・・勿論、本場でも。

第9曲目は、ニコライの歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲。この曲、とても気に入っています。何よりいきなり楽しい雰囲気へと私たちを連れて行ってくれます。そのあたりがとても聴いていて楽しいです。この曲も本編より序曲が有名な曲ですが、わたしはNHKFMで本編をちょっとだけ聴いたことがありますが、いや〜、この曲は本編もしっかりと全部聴いてみるべきだなあと思います。でも、いまだ実現できていないToT

第10曲目はリムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」。あ、もう持っているでしょ!というあなた!コアな読者様です。はい、既にこれ、シェエラザードと一緒に持っています。それでも、買っちゃいました。このあたりからだんだん、ききくらべても楽しんじゃない?って思うようになっていましたので、重複しても「そんなのかんけーねえ〜♪」です。実際、都響モントリオール響とを聴き比べてみると楽しいです。まあ、ロケーションの違いは確かにありますが、テンポ、リット、アンサンブル、アインザッツ、どれをとってもちがいがあって面白いです。

え、どっちが好みかって?うーん・・・・・どちらも、ですね。しいて言えば、やっぱりモントリオール響です。そのふくよかな響きとダイナミックさで。でも、アンサンブルとアインザッツは決して都響も負けてはいません。それゆえにアクセントがとても心地良い部分もあります。1300円と侮るなかれ!

都響といいますと、石原都政で揺れた歴史も持ちますが、日本で唯一公務員であるオケであるわけです。ベルリン・フィルのような存在でもあるわけなので、できるだけ都民の皆さんには支えてあげて欲しいなと思います。このCDではけっこういい演奏していますよ。



聴いているCD
剣の舞 管弦楽名曲集
・狂詩曲「スペイン」(シャブリエ
・「中央アジアの草原にて」(ボロディン
・「軽騎兵」序曲(スッペ)
・歌劇「椿姫」第一幕への前奏曲ヴェルディ
・「剣の舞」〜組曲「ガイーヌ」より(ハチャトウリャン)
・「子守歌」〜組曲「ガイーヌ」より(ハチャトウリャン)
・「バラの乙女達の踊り」〜組曲「ガイーヌ」より(ハチャトウリャン)
・歌劇「マドンナの宝石」間奏曲第1番(ヴォルフ=フェラーリ
・歌劇「ウィンザーの陽気な女房達」序曲(ニコライ)
・「スペイン奇想曲」(リムスキー=コルサコフ
ジャン・フルネ、モーシェ・アツモン、小林研一郎、石丸寛指揮
東京都交響楽団
(DENON COCO-6778)