かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:ベートーヴェン・ブルッフ ヴァイオリン協奏曲

今日のマイ・コレは、チョン・キョンファがヴァイオリンの、ベートーヴェンブルッフのヴァイオリン協奏曲です。指揮はクラウス・テンシュテット、オケはロイヤル・コンセルトヘボウロンドン・フィルです。

このCDを買ったのは二つ理由があります。一つはベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲をFMで聴いて興味を持ったこと、そしてもう一つは、この演奏にチョンとテンシュテットという二人が参加しているという点です。

まあ、この頃からだんだんただの初心者じゃなくなってきた、ということだったのかなと今となっては思います。明らかに、聴く時代範囲が変わってきていましたから。

この曲のどこに興味を惹かれたのかといいますと、リズムとその構成です。たんたんたんたーんという単純なリズムが実際とても心地良く、さらにそれを彩る高貴な音楽。それがソナタ形式の中で展開されてゆきます。第1楽章は20分超なのに、初めから全然長いとは思いませんでした。第九の第4楽章とさほど変わりませんし。

それを、テンシュテットの手腕でさらにアインザッツのよさも加わり、一つ一つを積み上げてすばらしい作品として表現しています。そこに、チョンの艶っぽいヴァイオリンが加わり、さらに曲を彩ってゆきます。

これがベートーヴェン・・・・・最初、その驚きが強くありましたが、今ではそれがベートーヴェンなんだと思っています。それは室内楽、特に弦楽四重奏を聴いたことが大きいのではと思っています。

当時はただ単にすばらしいで終わってしまった演奏です。コンチェルトとしてはピアノ協奏曲に興味が向いていて、当時ヴィデオで第3番などを聴いていましたので。しばらくは興味が一端はなれた曲です。

でも、今ではこのヴァイオリン協奏曲はもっと味がある、と思い始めています。ベートーヴェンはピアニストでしたが、ヴァイオリンとヴィオラも弾けるという、ある意味スーパースターでした。その彼が作曲したのですから、本来ピアノ協奏曲に負けない曲であるはず、ですから。これも、そのすばらしさがわかるまで時間がかかった1曲です。

カップリングのブルッフは、全くの初めてでした。ただ、この曲がもつ霊感が私の心を捉えたのは事実だったと思います。第1楽章を前奏曲とするなど、形式的にも独奏的な曲ですが、それゆえにこの曲もしばらく封印してしまった時期があります。しかし、今再び聴き始めている曲でもあります。

どちらの曲にもブックレットに簡単な解説が載っている(だから、この時期私は国内盤にこだわっていました)のですが、その解説が今になって、おや、そんなこともあったか!と興味を惹くものだらけです(特に、テツラフによる直筆稿演奏など)。しかしながら、当時はチョンのヴァイオリンしか興味がなかったかも、です。

それを語りだすと長くなりますし、ちょっと脱線気味になるので短く述べますが、とにかく音が安定しています。それは、すばらしい点だと思います。やはり、チョン・キョンファは古典派から前期ロマン派が得意なのでは?と思わずにはいられません。まあ、他の時代がだめというわけではありませんが・・・・・それは、また別のCDで思い知らされることになります。

ベートーヴェンの弦にほれるきっかけは、間違いなくこのCDのこのヴァイオリン協奏曲の演奏だったのでは?と今となっては思います。



聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
ブルッフ作曲
ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調作品26
チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
クラウス・テンシュテット指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団ベートーヴェン
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団ブルッフ
(東芝EMI TOCE-7730)