かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:宇野功芳 運命

今日のマイ・コレは宇野功芳さんが指揮したベートーヴェンの運命と第1番他です。オケは今はなき新星日本交響楽団

これを買いましたのは大学4年生だったと思いますが、いやー、これは度肝を抜かれましたね。うーん、どう評価すべきものなのか・・・・・

一応、この演奏の評価って一般的にはそれほど良くありませんよね〜。かなり功芳さんの解釈が入っているので・・・・・

正直言って、私は評価できないですし、これに関してはしようとも思いません。かなり、上級者向けのものを私は買ってしまったと今でも思っているので・・・・・

じゃあ、何でこれを買ったかといいますと、正直言いまして、第1番が欲しかったから、なんです。当時いい第1番の演奏が店に売っていなかったので、ある意味仕方なく買った部分があります。

一応、功芳さんの演奏については当時雑誌等でその評価を確認して買ったのですが、読めば読むほど「いや〜、これは買えないだろー」

でも、これを買えばベートーヴェン交響曲がとりあえずライブラリにそろうという場面でしたので、一か八かで買ったものです。はっきり言ってギャンブルでした。大学に入りたての時にオーチャードで聴いた新星日響の「運命」を信じて買った一枚です。

このアルバムは、1991年4月16日東京芸術劇場で行われたコンサートを記録したもの(アンコールも含めて)なんですが、実はご存知の方も多いかと思いますが、いわゆるヴァイオリンを両翼に配置しているんですね。18世紀のシフトです。その音が私にとっては衝撃でした。

まだこの時期古楽も知らない私が、いきなり18世紀のシフトを聴いたのですから(しかも、何の予備知識もなく)、とても驚きでしたし、また新鮮でした。スピーカーから確かに両方からヴァイオリンが違った音で流れてくるわけで、ははーん、なるほど〜、実際にはこういう構造になっているんだな〜と思いながら聴いていました。

恐らく、この演奏が私を古楽好きにするきっかけになったかもしれないと、今にしてみれば思いますが、それにしてもこの演奏は上級者向けすぎて、今でもそれほど頻繁に聴く音源ではありません。第1番はよく聴きましたが(実は、昔DATに入れてありました)、運命は・・・・・殆ど聴きません。功芳さんの個性が強すぎるんです。

これ、評価が分かれますよね。極端なまでのリタルダンドなどの数々の楽譜無視の解釈。彼が作曲もするからだろうと思いますが、それにしてもそれはすごすぎます。ワルターの指揮のようなリット好きな私も、この演奏には「ぶっ飛び」ました^^;

久しぶりに運命のスコアを取り出して聴きました。見ながら聴きますと余計「なんじゃこりゃ〜」です。ただ、聴きますとやっぱりオケって皆さん隣の音を聴きながら演奏しているんだなあと思います。当たり前かもしれませんが・・・・・

つまり、普段は隣で響いているはずの音が、はるか向こうでなっていて、違った音が隣で鳴っているわけですから。その苦労は演奏のアインザッツをあわす部分で素人でも容易に聴き取ることが出来ます。

でも、いわゆる「変態演奏」として私はもっと買いたいという気持ちもその後ないわけではなかったのですが、でもやっぱり二の足を踏んでしまいました。まあ、それが評価の現われと考えていただいて結構だと思います。

これだけは、お勧めとか言えません。まあ、興味があるのならチャレンジ!という感じでしょうか・・・・・

それでぶっ飛びましても、私は責任をもてません。



聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第1番ハ長調作品21
交響曲第5番ハ短調作品67「運命」
フィデリオ」序曲作品72b
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
歌劇「フィガロの結婚」K.492 序曲
宇野功芳指揮
新星日本交響楽団
(キングレコード ファイアーバード KICC 19)