かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」

今回のマイ・コレはまたまたベートーヴェンの第九です。指揮はヴァーツラフ・ノイマン、オケはチェコ・フィルです。

このCDを買ったのは大学2年生の年末です。はっきりと覚えています。それは、サークルの先輩の家でクリスマス会があるので、細かいお金を作らねばならず、そのとき1万札しか確か持っていなかったので、崩すために買ったのです。

ええ〜、そんな理由でというかもしれません。しかし、残念ながらこれは事実です。そんな理由で買ったのです。何せ、これ廉価盤ですから。当時1300円。破格の安さでした。その理由はこの演奏が1970年代の録音であるということにありました。当時でもすでに20年近く前の演奏でした。

実は、この演奏は1976年12月3日に東京文化会館で行われたもので、当時評論家の間でもかなり評価の高かったものなのです。実は、だからこそほしかったものでもありましたが、そのときあえて買いたいものではなかったのです。ホールは東京文化会館ですし、すでに当時すばらしいホールが登場して、実際に私もいいホールで聴いていました。

ただ、このCDの評判はそれでも良かったのです。それが、1300円・・・・・

迷いました。買うべきか買わざるべきか。私、下戸ですから、先輩の家にお泊りになるのは間違いないと思っていました。ですので、自分の家まで帰る電車賃を作らなければいけませんでしたが、そんな理由で買うのもどうか、と。でも、結局買うことにしました。どんな理由であるにせよ、聴きたいものが廉価でそこにあったのだから、それを買ってお金を崩そう、と。

で、その演奏を帰ってから聴いてみると、思った以上に良かったのです。弦が美しいというのがまず第一印象で、合唱団のアンサンブルも秀逸です。合唱の特徴として、東欧なまりが発音で存在するということがあげられますが、それがとてもわかりやすい演奏です。それは東京文化会館という場所が大きく影響しているように思います。

そしてなんといっても、合唱の熱のこもった演奏が印象的です。「喜びよ、それは神々の放つ光」のユニゾンは、当時もそうでしたが今聴きましても鳥肌が立ちます。

東京文化会館だから、なんて当時いえる立場じゃないのに、今聴いてもその態度がいかに間違っていたかを痛感させれた演奏です。東京文化会館だってすばらしいホールですし、そのロケーションで最大限のパフォーマンスをするチェコフィルと合唱団、ソリストたちはすばらしいと今聴いて思います。





聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱」
ヤルミラ・スミチコヴァー(ソプラノ)
ヴィエラ・ソウクポヴァー(アルト)
ヴィレーム・プジビル(テノール
リハルト・ノヴァーク(バリトン
プラハフィルハーモニー合唱団(合唱指揮:ヨゼフ・ヴェセルカ)
ヴァーツラフ・ノイマン指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
(DENON COCO-6756)