かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買い物:ベートーヴェン ピアノ三重奏曲第7番「大公」

今月のお買い物、二枚目はベートーヴェンピアノ三重奏曲第7番「大公」です。演奏はスーク・トリオ。

ベートーヴェンピアノ三重奏曲で一番有名なのが、この「大公」ですが、ではどれだけすごい曲なのかといえば、はっきり言いましてすごい曲ではありません。

ただ、高貴さと人間味が同居しているという点では、彼のピアノ三重奏曲の中では最高傑作なのではないでしょうか。すごい曲、というよりこの曲は美しくかつ温かいのです、

一体、同時期のピアノソナタ弦楽四重奏曲のような激しさはどこへ行ったのでしょうか。少なくとも、ピアノパートからはそれほど激しい音楽は聴こえてきません。ところどころアインザッツが厳しい部分がありますが、それくらいです。

ただただ、温かく美しい・・・・・それが、「大公」です。こんな曲をベートーヴェンが書くのか・・・・・という印象です。

この曲に出会えただけでも、私はこのシリーズを買ってよかったなと思います。まあ、実際山野にはベートーヴェンピアノ三重奏曲で全集は国内盤ではこれしかなかったわけですが。

弦楽四重奏曲ではウィキペディアにも解説が載っているのに、ピアノ三重奏曲や、弦楽三重奏曲といったジャンルではネット上に解説がほとんどない(弦楽三重奏曲では全くない)というのは、私は悲しいことだなあと思います。

少なくとも、私は聴かなければ、聴いてあげなければ!とある種の使命感を今感じています。そのためにも、勉強しなければならないことがいろいろありそうです。できれば、解説をこの曲に関してはしたいですね。

勿論、この「大公」位は調べればあります。しかし、第1番は一体あるでしょうか。確か、ウィキペディアでもピアノ三重奏曲を全て解説してはいなかったように思います。

カップリングはカカドゥ変奏曲とピアノ三重奏曲のWoO.39。すっかり私はベートーヴェンの変奏曲のとりこです。それはたぶんに第九が好きであるということと無関係ではないでしょう。そういう意味でも、私はもっと早く彼の室内楽に出会うべきだったなあと思います。彼の室内楽は人生を豊かにする、そんな気がします。

確かに、例えばカカドゥ変奏曲などはすばらしい曲ですが、クライマックスがあったりして、突き動かされるような感動があるわけでありません。しかしじんわりとした感動が波のように押し寄せてくるのです。

このアルバムは、そんな「打ち寄せる感動の波」がぎっしりと詰まった一枚です。



聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調作品97「大公」
カカドゥ変奏曲ト長調作品121a
ピアノ三重奏曲変ロ長調WoO.39
スーク・トリオ
(DENON COCO-70852)