かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

友人提供音源:バーンスタインとプロコフィエフの交響曲

今回の友人提供音源は、バーンスタインプロコフィエフ交響曲がそれぞれひとつずつ入ったものです。指揮はカール・セントクレアとパーヴォ・ヤルヴィ、オケはシュトゥットがルト放送交響楽団フィンランド放送交響楽団です。

実は、この音源は以前ご紹介しているのです。そのときは主にプロコフィエフ交響曲について言及したと思います。

パーヴォ・ヤルヴィプロコフィエフ第6番
http://yaplog.jp/yk6974/archive/112

そのときにもこの音源は全て聴いているのですが、今ふたたび聴いてみますと、バーンスタイン交響曲第2番も、とても特徴のある曲だと感じます。今でも同じ印象ですが、このバーンスタインの曲はまるでピアノ協奏曲です。実際、ピアノが2台使われていて、一台はオケの一パートとして、もう一台は明らかに独奏として扱われています。

こういう曲ほど、私はもっと専門家がきちんとした解説をすべきだと思っています。楽譜を見ただけでもこういう曲は面白いだろうなと思いますが、実際誰でもがスコアを見て聴くわけではありません。実際、この手の曲ほど楽譜はまず国内では販売していません。海外から取り寄せることになります。

それを、実際の楽譜を提示しながら、解説をしてくれるような方が誰もいらっしゃらないというのは、この手の曲を広めていくことを阻害しているのでは?という気がします。それは果たしてバーンスタインが望んだことなのだろうかと、私は考えてしまいます。

もともと、この音源に収録されている2曲はアメリカとソ連と、戦後の二大陣営で第二次大戦を題材にして作曲された交響曲です。どちらも戦後の音楽を築いた大家です。しかしながら、多くの人はもっと前の時代の音楽を好んでいますし、実際私もそうです。そういった人たちに向けてのメッセージは、あまりないように思います。

確かに、何を聴いても自由ですし、理解できなければそれでいいのでしょう。それは私だって同じ気持ちを持っていますが、それでも私はこのブログを書いている以上、なるべく多くのひとに理解してもらおうと心がけています。こういう音楽は常にその努力が要るのではないでしょうか。

というのは、この二人の音楽、どこまで音楽的に残るのかということが問題です。プロコフィエフはかなりメロディラインがわかる音楽ですが、バーンスタインはかなり前衛的です。ジャズもあり、無調音楽ありという内容です。さらにピアノ協奏曲のような内容を持ち、2台のピアノの二重奏ともいえる部分すらあります。これを交響曲といえるのか?となると、マーラーの「大地の歌」と同じ問題を抱えることになります。実際は、私はマーラー以上にその問題は根深いと思います。

なぜなら、特にバーンスタイン交響曲第2番の場合、楽章が6楽章あるにも関わらず、実際には2部構成を持つという、形式的にはかなり個性的なもののように思いますが、これはすでにマーラーがやっている形式です。これをマーラーの音楽からの発展と見るのか、それともマーラーを形式的にまねをしただけと見るのかではまるで評価が違ってきます。音楽的には特徴があっても、形式から見ますと個性はどれだけあるのかという点が浮かび上がってきます。

ソナタ形式もないこの音楽を、番号つきの交響曲としていいのかという疑問も、私の中にはあります。例えばスクリャービンのように始めはかなりソナタ形式にのっとった曲を書いていたが、その後前衛的な音楽へと移っていった(それはラフマニノフにも言えることですが)というのならまだわかりますが、これはバーンスタインの第1番を聴いてみないと、何ともいえないのです。でも、第2番でこれは・・・・・という気がします。

例えば、ジャズの音楽でソナタ形式を展開する、という選択肢だってあるわけです。この曲に関しては題材があるのでそれはないでしょうが、そのほかの曲はどうなのか。私はその点に興味があります。たとえ大陸で前衛的な音楽がはやっていようとも、ジャズを題材にするということは充分考えられた選択肢です。ウエストサイドストーリーの音楽を聴けば、それは充分ご理解いただけるものなのではないかと思います。

私としては、この曲を評価するのはよそうと思います。まず、第1番を聴いてから、ですね。今となって、バーンスタイン交響曲もある程度聴きたいという気持ちが芽生えています。プロコフィエフに関しては以前から持っていますが、バーンスタインに関してはやっとそのときが近づきつつある、という気がします。

ただ、それでは一体だれがバーンスタイン交響曲を世に広めるんでしょうか?まさか、アマチュアの私ですか?

それは、殺生なという気がしますね・・・・・・まあ、それが私の役割なら一向に構いませんが、もっと適当な方がいらっしゃる気が私はしています。



聴いている音源
レナード・バーンスタイン作曲
交響曲第2番「不安の時代」
プロコフィエフ作曲
交響曲第6番
カール・セントクレア指揮、シュトゥットガルト放送交響楽団バーンスタイン
パーヴォ・ヤルヴィ指揮、フィンランド放送交響楽団プロコフィエフ
※友人提供音源のため非売品