かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

友人提供音源:ピアノコンチェルト

今回の友人提供音源は、5枚組みの中から、ピアノコンチェルトをはじめとするピアノ曲が特集された一枚をご紹介します。

実は、このCD−Rに収録された曲のうち、お気に入りの一曲があります。それは、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番です。指揮はユリ・テミルカーノフ、オケはサンクトペテルスブルク放送交響楽団、ピアニストはラン・ランです。

この演奏は、実は私が始めてまともにラフマニノフを聴いた最初の演奏になります。この演奏を聴いて、実は私はラフマニノフが好きになっていました。といっても、そのピアノ協奏曲をすべて集めるまでには、7年もの歳月を必要としましたが・・・・・

ただ、この演奏が私をしていつかはラフマニノフと導いたことは事実です。今では図書館で彼の交響曲とピアノ協奏曲はそろえてしまい、今ではそれ以外のアーティストを借りるかあるいは買うかという段階になりましたが、このときにはまだそんな時期ではなく単なる憧れに過ぎませんでした。

実は、この音源は携帯に入れてもあるのです。ですから、北京オリンピックでラン・ランが演奏したときには正直心中複雑でした。あの開会式は論議を醸し出しましたから、この演奏が好きだとはとても言い出せない状況でした。言い出したら、国士さまたちになんと言われるか・・・・・・

非国民扱いされ、家族が監視される・・・・・という状況も考えなくてはならないくらいの非難の嵐がふきあれていましたから。ようやく、そのような狂気が収まってきた現在だからこそ、カミング・アウトできるかと思っています。

他には、リストのピアノ曲が収録されており、編集者のセンスの良さが見て取れます。これが全てFM音源なのですから、やはりNHKは良い放送をします(この言葉すら、今は非国民扱いで非常に危険ですが)。

私は、ラン・ランがラフマニノフを弾いている、ということが非常に重要だと思っています。この音源をいただいた当時は感じませんでしたが、自分で交響曲第2番を買ってみて、その解説を読んで初めてわかったことがあります。

それは、ラフマニノフは保守だった、ということです。かれはモスクワ音楽院を卒業しています。実はそこはロシアでも保守的な姿勢(当時西欧派といわれました)の作曲家を輩出する音楽学校でした。実際、ラフマニノフの音楽は非常にメロディアスでわかりやすいものが多いのが特徴です。同音楽院を卒業した作曲家にはスクリャービンがいます。

ということは、ここにラン・ランの本音が隠されているんじゃないか、という気がするのです。ラフマニノフ交響曲とピアノ協奏曲を全曲聴いた今だからこそ、それが読み取れるようになったのではないか、そんな気がするのです。

そんな今だからこそ、ようやく旧ソ連の作曲家、特にショスタコーヴィッチなどをきけるようになっているような気がします。

何となく、ロシア・旧ソ連祭りが私の中で始まりそうな気配です。



聴いている音源
ピアノコンチェルト
(友人提供のCD-R、非売品)