かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」

今週のマイ・コレクションは、久しぶりにクラシックのみとなります。今回はベートーヴェンの第九です。指揮はサー・ゲオルグショルティ、演奏はシカゴ交響楽団他です。

この演奏から、恐らく私は大学生になっていたと思います。大学の生協にCD売り場があって、そこで買ったように記憶しています。

生協には学生が必要なものはたいてい売っているものですが、母校の大学の生協は本当に何でも売っていました。そこで本も買いましたし、バッグも買いました。理髪店があったので髪もそこで毎回4年間も切っていました。

そんな何でもそろう生協で、一番私の好きなコーナーが、専門分野が売っている本屋と、CD売り場だったのです。4年間で理髪店以外は生協はそれくらいしか利用していないのではという気がします。あ、勿論食堂は利用していましたよ!

大学に入学して、最初に買ったのはやっぱり好きな第九だったのです。それも、ショルティ/シカゴ響というビッグネーム。入学祝に自分でどうしても第九をビッグネームで買いたかったのです。

この演奏、実はとてもながーい。といっても74分ほどですが。ただ、当時だんだん演奏時間が速くなってきていたこともあり、それに比べますとテンポはだいぶゆったりです。でも、当時それくらいの演奏時間はあまり私自身は長いと感じませんでした。もともと、CDが74分というのは第九が一枚で収まるようにそうなったとも言われますし、その知識があったため、それが普通じゃない?という感じでした。

演奏はシカゴ響ですから、文句のつけようはありません。アンサンブルで問題にすべき点は一切なし。後は、くりかえしがないことが好きなのか嫌いなのか、それとゆったりとした演奏を好むか好まないかで決まるのではないかと思います。

私としては、当時受験の苦しさが聴いていて走馬灯のごとくよみがえってきて、かえってゆったりとしたテンポのほうが良かったですね。でも、今はそんなに頻繁には聴かなくなりました。他にいい演奏が見つかったという点もありますし。

ただ、それでもこの演奏を持っているのは、やはりそれが「アメリカのオケと合唱団の演奏である」ということに尽きるからです。特に合唱団は発音。アメリカ人だから日本人よりは発音がうまいのではと思いますと、実はそうでもありません。

一番特徴を現しているのが、werdenの発音。ドイツ人、あるいはドイツ語系の国の方の発音であるとヴィエールデンという感じに聴こえますが、これがアメリカ人ですと日本人同様ヴェルデンなんですね。

実は、このeの発音。発音指導ではエと発音するのではなくイに近く発音することとするのが一般的です。勿論、eがiになるわけではないのですが、日本人の浅い発音ですとそうでないと違って聴こえてしまうのです。ですので、普通はそう指導します。しかし、やっぱりエでやってしまうんですね。ですので、ゲネプロでは「エで行こう」となるのが普通です。

シカゴ合唱団も、もしかすると・・・・・なんて、実際歌ってからはそんな風に考えたりもできますので、レファレンスとして残しているのです。発音でなやんでいる人がいれば、「アメリカ人だってほとんど同じだよ。くよくよしないほうがいいよ」と言えます。そうすれば、少なくとも団内の統一が図れますので、少なくとも本番での失敗はそれだけ芽を摘み取ることができます。

単に興味本位だけで買った一枚ですが、実はこのCDは実際歌い始めてから役に立った演奏なのです。



聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱」
ジェシー・ノーマン(ソプラノ)
ラインヒルト・ルンケル(コントラルト)
ロベルト・シュンク(テノール
ハンス・ゾーティン(バス)
サー・ゲオルグショルティ指揮
シカゴ交響楽団・合唱団
(ロンドン F00L-23011)