かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買い物:ベートーヴェン ピアノ三重奏曲第3番・第4番他

私がCDを買いました時にそのCDを毎月ご紹介する土曜日のランダムコーナー「今月のお買い物」、今回はベートーヴェンピアノ三重奏曲を取上げます。

本当に昨年から私はベートーヴェン室内楽へと傾倒しています。勿論、交響曲への興味を失ったわけではなく、それ以上に今まで聴いてこなかった室内楽への知識欲が爆発しているのです。

これは合唱曲へと傾倒していったときに良く似ているなとわれながら思うので、できるだけデータでそろえたいところなんですが・・・・・

実は、県立図書館には全くと言っていいほど、ベートーヴェン室内楽の所蔵がありません。かろうじてあるのが、弦四なのです。

そういう意味では、私がアルバン・ベルク四重奏団の演奏に触れたのは奇跡としか言いようがありません。

彼のもう一つの分野であるピアノ三重奏曲はほとんどありません。その中のいくつかは所蔵していますが、全曲となると全くで・・・・・

そのため、この分野は購入することに決めました。

年末に第1番と第2番を取上げたと思いますが、このCDはその続きになります。演奏はスーク・トリオ。比較的安価で、なおかつ分売されている全集は山野ではこれしかなかったです。

第3番以外は3楽章形式になっており、すでにベートーヴェンのびっくり箱がそこにある、という印象を受けます。実際、私が持っているロマン派のブラームスと比較してみると一目瞭然で、ブラームスは4楽章形式で書いているにも関わらず、ベートーヴェンは第4番とWoO38は3楽章形式です。

なぜこうなったかは解説には一切書かれていません。一つ想像できるのは第3番までは作品1で、その後の第4番は作品11、そして変ホ長調の作品は作品番号が与えられていなくてWoOがあたえられているということで、そこに彼が3楽章形式を「試した」のかな?と想像することができます。この点につきましては、もう少しこのシリーズを聴いてみる必要があるように思います。

全体的にはベートーヴェン特有の高貴さがすでに発露されているにも関わらず、非常に肩のこらない内容だということです。圧巻は第4番の第3楽章。彼得意の変奏曲形式がすでに与えられています。それがまたとても素敵で聴きやすい!もともとが他人の作品であるわけなのですが、それをベートーヴェンが自由自在に扱って、とても楽しい曲へと仕上がっています。

それを本当にサクっと演奏してしまうスーク・トリオもすばらしい!いや、本当に「サクっと!」なんですね。ここがチェコ室内楽アンサンブルを聴く楽しみでもあります。その上で、アルバン・ベルクのようなアインザッツの強さも持ちあわし、アルバン・ベルクに慣れてしまった私でも全く違和感なしに聴くことができます。

これは次も楽しみですね〜。後2枚で全集完結ということだそうですから、後2ヶ月楽しみがあるということになるかと思います。

これほどわくわくするのも、アルバン・ベルクの弦四の演奏を県立図書館で借りていた時以来のような気がします。

こういう演奏が、人生を変えてゆくものだなあと思います。



聴いているCD
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調作品1-3
ピアノ三重奏曲第4番変ロ長調作品11「街の歌」
ピアノ三重奏曲変ホ長調WoO.38
スーク・トリオ
(DENON COCO-70918)