今日は月曜日。「マイ・コレクション」です。今回は、展覧会の絵とボレロです。
まあ、この組み合わせというのはもうゴールデンコンビのようなものですよね〜。総時間もそれほど長くないですし、クラシック入門曲としてもよく聴かれる曲です。
ただ、この二つを組み合わせるというのは実は密接な関係があって、それは共にラヴェルが関わっている、ということです。
展覧会の絵はもともとムソルグスキーのピアノ曲で、私はまだCDでは持っていませんが、演奏は聴いたことがあります。確かに、音符は一緒かもしれませんが、全然違う曲のように思います。
そういう意味では、私はこの2曲ともラヴェルの作品、というようにすら捉えています。特に、展覧会の絵のオーケストレーションは、ムソルグスキーがピアノで描いたロシア的世界とちょっとだけ違うようにわたしには思えるのです。何となくフランス印象派が入っているような、そんな気がしてならないのです。
このCDは、展覧会の絵がカレル・アンチェル、ボレロがセルジュ・ボド指揮、オケはいずれもチェコ・フィルです。もともとは1960年代のスプラフォンの録音で、買った当時既に録音から20数年たつというものでした。しかしながらマスタリングがすばらしく、今聴いても古めかしい感じが全然気になりません。
展覧会の絵とボレロで指揮者を変えるところ、ロシアとフランスとで違いを出そうとしているのかもしれませんが、今聴いてみますと、それほど差を見出すことができないのです。確かに、音楽はロシア的なものもたぶんにありますが、途中まではそれほどロシア的なものを感じることができないのです。感じることができるようになるのは、後半の2曲、バーバ・ヤガとロシアの大門くらいです。
明るい曲はそれほどロシア色がありません。それが、ピアノの原曲は確かもっと重々しく、ロシア的だった記憶があります。それがピアノと管弦楽の決定的な差のように思えます。
全体的にはいい演奏なのですが、この2曲とも金管が効果的に使われているだけに、弦が美しいチェコ・フィルですとちょっとだけ物足りなさを感じます。ただ、私もこの2曲はいろんな演奏を聴きましたが、結局このCDよりいい演奏にはなかなか出会えていないなという気がします。特に、テンポの上でこのCDよりいいと感じるものにはなかなか出会えません。
それを特に感じるのがボレロで、通奏低音の役割を果たす小太鼓を効果的に鳴らすには、やはり緊張感のあるいいテンポが必要で、それが抜群の演奏にはなかなか出会えません。そのあたりは、図書館でいろいろ借りてみようかと思っていますが、それがいつのことになるのやら・・・・・
展覧会の絵も、原曲のピアノ版をやはりそろえたいと思います。それは、実はこのCDを買ったときからの念願です。それもいつかなうのかわかりませんが、やはり原曲も聴かないと、この曲の本当の魅力にたどり着かないではという気がします。
聴いているCD
ムソルグスキー作曲
組曲「展覧会の絵」(モーリス・ラヴェル編曲)
モーリス・ラヴェル作曲
ボレロ
カレル・アンチェル指揮(展覧会の絵)
セルジュ・ボド指揮(ボレロ)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
(DENNON SUPRAPHON 28C37-21)