かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今日の一枚:クラシック音楽2「若き日のカラヤン」 ワルツ集

果てしなく続く「今日の一枚」シリーズ、前回からダイソーのCDをご紹介していますが、今日はその第2回目で、ワルツ集を取上げます。

とにかく、このシリーズはリマスターがすばらしく、100円とは思えないクオリティです。

演奏も、ウィーン・フィルを完全に手中に収めていて、晩年の中のよさを彷彿とさせます。後年、ベルリン・フィルと不仲になりますが、その一方でカラヤンウィーン・フィルと名演・名盤を生み出してゆきます。その原点を見るような気がします。

第1曲目が「皇帝円舞曲」で、この曲は私の小学校時代に朝校庭に流れていた懐かしい曲です。その後、デジタル録音で買いましたが、その演奏に負けない「ゲミュートリッヒ・ヴィーン」です。

第2曲目が「美しき青きドナウ」です。ウィンナ・ワルツの中でも最も有名な曲と言っていいでしょう。私もウィンナ・ワルツのなかで一番好きな曲です。

ウィーン・フィルなら、上手なのは当然じゃないって思っている、ア・ナ・タ。ことはそれほど単純ではありません。それは毎年のニューイヤーコンサートを見ていますとよくわかります。意外なほど、指揮者に従順ですよ。ただし、オケの団員が認めれば、の話しですが・・・・・

ですので、指揮者のくせが必ずといっていいほど演奏にでます。このCDでも、カラヤンのいわゆるスピード感というものがきちんと反映されている一方、ゲミュートリッヒ・ヴィーンが徹底されています。

そして、この曲ほどその特徴が出やすい曲もありません。それでもある意味、カラヤンらしくない演奏と言ったほうがいいかもしれません。しかし、私はこの演奏からカラヤンのウィンナ・ワルツへの姿勢が見て取れるのです。皇帝の名が称せられるカラヤンですが、独裁者とはいえない、謙虚な演奏です。

それは、若いころだからなのかもしれませんが、しかし、カラヤンの特徴もきちんと現れているのに、ウィーン風がにおってくる演奏は、聴いていてとても心地良いです。

第3曲「芸術家の生活」は私が恐らく初めて聴くであろう曲です。これも気持のいい曲です。この気持ちよさこそ、「ゲミュートリッヒ・ヴィーン」なのです。うん、いいなあ。

第4曲目はふたたび「こうもり」序曲の登場。前回と一緒の演奏なのか違うものなのかまでは解説がないので定かではありませんが、これも気持ちのよさは天下一品です。

最後、第5曲目が「ウィーンの森の物語」。これもたまりませんね。甘い曲調に、気持ちよさ。何となく恋人と森を歩きたくなります。映画のワンシーンのようですね。

この手のCDを作らせたらカラヤンの右に出る人はそうそういませんが、戦後すぐのこんな時期に完成度の高い演奏を生み出していたことは本当にすばらしいの一言です。これで100円?と思わずうならずにはいられません。

まあ、普通値段は製造コストですから、あまり演奏とは関係ないんですけどね(まったく関係なくはありませんが)。

100円だからたいしたことはないだろうと言うことはまったくないと、断言します。


聴いているCD
クラシック音楽2「若き日のカラヤン
ワルツ集
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ダイソー ザ・CD CD-C-2)