かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

モーツァルト ピアノ協奏曲第16番ニ長調K.451

今日は、モーツァルトのピアノ協奏曲第16番です。この曲は彼の第3回予約音楽会で演奏されたもので、規模は第15番よりも大きくなっています。

事典では、華麗さは影を潜め、シンフォニックになっていると書かれていますが、一度お聴きあれ。そんなことはありません。確かに派手さはありませんが、とても音楽的に豊潤です。

形式的にも、ソナタ形式がきちんとした形になっていて、其のことが恐らく構造的に堅く思われるのでしょう。しかし、音楽的には華麗さもありますし、なにより、祝祭調のひとつであるニ長調なのです。今までの協奏曲の中で一番わくわくさせられる音楽がそこにあります。

確かに、第1楽章にはひとつの緊張感があります。しかし、私が持っている音源の中で、ピリオドの音源とモダンのブレンデル、マリナー、アカデミー室内はそんなことはありません。恐らく八分音符の処理がうまいのでしょう。軽い演奏です。そう、モーツァルトの音楽はその軽さが魅力なのです。

それは、決して軽薄ということではありません。弾むような音楽、という意味です。私はレクイエムでさえ、その視点から聴きます。例えば、レクイエムのコンフターティス。あれは弾んでこそ緊張感が高まります。

この第16番にもそれと同じものを感じます。いよいよ、彼の円熟期が始まるといっても過言ではありません。実際、オペラはこの時期からのほうが名曲がありますし、室内楽もこの時期にさらに円熟味を増します。弦四の「ハイドン・セット」はケッヘル番号ではこの前後になります。それを献呈されたハイドンのほうが逆に触発されて音楽が変わってゆくくらいの衝撃でした。そして、ハイドンの時代は幕を下ろします。

時代はモーツァルト、そしてベートーヴェンと移り変わってゆきます。そんな時代を感じます。

今日は、ぺライアとブレンデルを聴いていますが、どちらもすばらしいのですが、上でも述べましたが、ブレンデルとマリナーのコンビはすばらしく、音がはねています。それがとても心地良く、音楽的にも深いものになっています。今は確かもう小学館の全集にしかないのではと思いますが、図書館等で扱っているところがありますので、借りてみてはいかがでしょうか。私も、その演奏は神奈川県立図書館で借りました。

今出ているのはブレンデルの新シリーズ。マッケラス、スコットランド室内管弦楽団のコンビですが、私もいつかこのコンビでCDを購入したいものです。17番は図書館にもあるのですが、それ以外は無いようで・・・・・・それは自分で買うしかないようです。

モーツァルトの順風満帆さが見て取れます。

え、彼には悩みなど無いのか?いえいえ、そんなことはありません。それは、またおいおい語りましょう。いずれ、ピアノ協奏曲でも出てきますよ、そういう曲は。そして、恐らくそういう曲がベートーヴェンに強い影響を与えていると思うのです。