今日はモーツァルトのピアノ協奏曲第15番です。この曲は彼の「第2回予約演奏会」の曲目のひとつです。
この作品の特徴として、木管楽器が大活躍するという点にあります。実は、木管楽器もこの時期性能が向上し始めており、恐らくモーツァルトはそういう点を考慮に入れて書いたように思います。
全体的に音楽は華やかで其の上気品が備わってきます。また、転調もどんどん深くなり、美しいだけでなく、彼の自信も見え隠れしてきます。
さらにこの曲はピアノもため息が出るほどすばらしい!第1楽章の独奏ピアノの出だしは、もううっとりです。珍しく変奏曲形式の第2楽章と、木管がとても流麗な第3楽章。すばらしいです。彼自身、第16番であるK.451と優劣つけがたく、どちらも気に入っていますと家族への書簡で述べています。
派手さはないのですが、いっそう技巧的になっていて、あきさせません。作品全体の中では少し埋もれてしまっている感がありますが、この曲はもっと評価していいのではと思います。どうしてもモーツァルトは20番以降の作品に焦点が当たってしまうので・・・・・
まあ、それは仕方ないとは思います。実際、私も最初に買った彼のピアノ協奏曲はブレンデルの新シリーズの20番と24番でしたから。しかし、この二つの短調を買ったおかげで、「いつかは全部」と思ってきました。そして、この第15番にめぐり合いました。
かれがライフワークにしたピアノ協奏曲。そこからは、ピアニスト、モーツァルトとしての彼の人生が聴こえてくるようです。それが、私にとってとても楽しいのです。