かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今日の一枚:ラフ 交響曲第4番・第3番

今日は、ラフのCDです。これも先月買ってきた物です。最近、ラフのCDを集めています。正確に言いますと、かれの交響曲を、です。

この作曲家につきましては、以前ご紹介しました。彼も同時鑑賞会で知った作曲家です。そのときに聴いたのは前奏曲だったと記憶していますが、そのときに私は書き込みで「交響曲があったら図書館で借りるか、買ってみたいと思いますので、探してみます」と書き込みました。確か、mixiの日記にも書いたような気がします。ようやく、その約束が果たせつつある、と言う感じです。

ラフは最近店頭でCDを見るようになりました。数は多くはないですが、作曲数が多いこともあり、昨日のロットに比べれば数多くのCDが発売されるようになりました。

私が若いころは、こういう無名の作曲家と言えばカリンニコフでした。実際、私も一枚もっていますが、それ以上買う気がなかったのは確かです。ところが、このラフにつきましては、前も書きましたがブラームスに非常に近いため、なぜかもっと欲しくなっています。今月も実は買ってあり、それはまた次の機会に書こうと思っています。

このCDに収録されているのは第4番と第3番で、第3番については前に買ったナクソスとかぶります。それもまた楽しいものです。演奏の比較ができますので。私としてはナクソスのほうがどちらかと言うと好みかなあと思いますが、でもなかなかいいですよ、これも。

第4番は標題がついていません。交響曲らしい4楽章形式を保ち、古きよき時代をしのぶことができます。ロットよりは前の時代になりますので、ロットに比べますと落ち着いた雰囲気です。派手さがないので、そういうのが好みですとあまり面白くないですが、音楽をじっくりと味わいますと、聴けば聴くほど味わいがあります。第1楽章は冒頭派手さもあり、ぐいぐい引き込んでゆきます。

第2楽章はスケルツォ。きびきびとした動きが小気味よいですね。第3楽章はアンダンテ。これがアダージョだとブルックナーですが、ここがアンダンテなのは何となくベートーヴェンの第九を彷彿とさせます。第2楽章のスケルツォといい、ベートーヴェンの第九の影響を感じます。これはいつか楽曲比較をして書いてみたいと思います。少なくとも、カップリングの第3番は特にそのような影響を見ることができません。4楽章形式なのは同じですが。

第3楽章はきびきびとしたリズムの上にゆったりとしたメロディが乗っていて、構造的にも音楽的もすばらしく、とてもバランスの取れた内容です。これも派手さがありませんが、質実剛健さを感じます。かっちりとしていて、少なくとも聴いているものの期待を裏切りません。

第4楽章はブラームス風の音楽で開始されます。何となく、ブラームスよりこっちのほうが良かったりします^^;しかし、すぐ雰囲気はがらっと変わり、リズミカルな音楽が展開されてゆきます。ドイツロマン派の大作曲家だったラフだけあり、こういくつか聴いてきますと、とてもすばらしいです。派手な感動とかはありませんが、疲れているときなどに聴きますと結構癒されます。素敵な絵を見ているような感じで、ドラマを見るよりあまり頭を使わなくても良いという点がいいのかもしれません。同じロマン派のブルックナーと比べますともうその差は歴然です。私は以前までなら断然ラフですが、最近はブルックナーもいいです。こういう違うものをじっくりと味わうのも、クラシックの醍醐味ですねー。

オケはアメリカですが、こういう再発掘をフロンティアスピリットで行うのには敬服します。ロットの交響曲第1番の初演はアメリカでしたし、そういう意味ではヨーロッパから離れているからこそ「岡目八目」できちんとした評価ができるのだろうと思います。

私の「ラフ買い」はまだまだ続くと思います。


ヨアヒム・ラフ 交響曲第4番・第3番
ヒラリー・デヴィアン・ウェットン指揮
ミルトン・キーンズ・シティ管弦楽団
(HELIOS CDH55017)

追伸
さて、さらにこのシリーズは今月のものをやりたいなあ、と思うのですが、ここで再びベートーヴェンの弦四に戻りたく存じます。次回はいよいよ、ラズモフスキーです。そして、その途中で「今日の一枚」シリーズをさしはさみたいと思います。そこで、ベートーヴェンの弦四をさらに一曲加えて全部で17曲取上げるようにしたいと思っています。