さて、今日はピアノソナタ第6番です。この作品も三楽章形式です。始めは静かにタータタン♪と始まります。うーん、これは第5番と続けて聴いてみると面白いかもしれないなと思い始めています。確かに、CDも20番、19番、4番、5番とこの6番がカップリングです。
とてもはつらつとしていて、明るいです。その上でベートーヴェンらしい陰影もあり、初めからぐいぐい聴き手を引き込んでいきます。これは演奏者の手腕もあるんでしょうが、山根弥生子さんはそんなに奇をてらう演奏ではないので、やはり音楽そのものが聴き手を引き込んでいく力を持っているんだと思います。
しかも、この曲からすでに第一楽章に重きを置いていて、時間は第1楽章が一番長いんですね。これは他の曲も調べてみる必要がありそうです。数値化してみると、意外な事がわかるかもしれません。
第2楽章は今度は短調。でも、暗いという感じではなく、少し影があるという感じです。
で、第3楽章はいきなり早いパッセージになります。なんとなくピアノを「打ち鳴らす」ようなリズミカルな音楽で、これは最初聴いた人たちはびっくりしたでしょうね。でもその打ち鳴らすテーマからソナタ形式がどんどん展開されていて、聴き飽きず、「これもまたベートーヴェンのびっくり箱だなあ」と感心しています。
確かに表題も何もないのですが、いやいやどうして強烈な個性を感じます。したい放題にやっている感じです。もちろん、ソナタ形式ですが、その枠内でしたい放題やっているなという感じです。で、最後はまたいきなり終わる感じで、もしかすると第7番とこれも続くのか?と思わせぶりです。
第7番を取上げるときには、第5番から第7番まで続けて聴いてみた感想も述べてみたいと思います。