東京の図書館から、今回と次回の2回にわたりまして、小金井市立図書館のライブラリである、ドヴォルザークのヴァイオリン・ソナタ集を取り上げます。
2枚組のこのアルバムは、ヴァイオリン・ソナタ全集と言ってもいいと思います。とはいえ、ドヴォルザークはヴァイオリン・ソナタを1曲しか書いていません。しかし相当する作品は結構残っており、その「ヴァイオリンとピアノのため」に書かれた作品が収録されているアルバムということになります。
第1集では、まさにヴァイオリン・ソナタとヴァイオリンとピアノのためのソナチネ、そしてマズレックが収録されています。有名なのは実はソナチネという・・・・・
ただ、規模としてはヴァイオリン・ソナタのほうが大きいですし、堂々としています。なのに楽章数は3なんですよね。そのためか、よく演奏されるのはむしろヴァイオリンとピアノのためのソナチネのほうなのだそうです。ヴァイオリンとピアノのためソナチネは4楽章形式なので・・・・・
そんな理由だけで差をつけてしまっていいの?という印象は私自身にはあります。演奏しているのはヨゼフ・スークとアルフレート・ホレチェクですが、特に差をつけることなく、実直に弾いています。その二人の演奏を聴きますと、やはりソナチネは子供たちに向けてという側面があるのでどこか諧謔的な部分も持ち、楽しげです。楽しいことは大事ですし否定しないのですが、だからと言って演奏頻度で差をつけてしまっていいのだろうかという気はします。もしかするとそれは演奏している二人の意志が、私に伝わった結果なのかもしれません。
マズレックはマズルカのことで、そもそもポーランド語ではそのようにつづるそうです。二人が踊っているかのように聴こえるのは気のせいでしょうか?そもそもマズルカはポーランドの舞曲ですし。
この演奏では踊っている感じだけでなく、とっても歌っています。そもそもですがこういった民族舞踊では歌も入ることが多いのですよね。ドヴォルザークがいかに民族的な作品を作ったのかと思うのですが、それでも生前はボヘミアではかなり売国奴扱いされた時期もあったようで・・・・・結局、結果でドヴォルザークは黙らせた訳ですが。そんな歴史もまた、演奏する二人にはフラッシュバックしているのかもしれませんね。
聴いている音源
アントニン・ドヴォルザーク作曲
ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調作品57B.106
ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ ト長調作品100B.183
マズレック ホ短調作品49B.89
ヨゼフ・スーク(ヴァイオリン)
アルフレート・ホレチェク(ピアノ)
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