東京の図書館から、3回シリーズで取り上げております、朝比奈隆指揮新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏によるブラームスの交響曲全集、第2回の今回は第2番を収録した2枚目をご紹介します。
さて、レーベルをご紹介し忘れていましたが、おそらくフォンテックだと思います。データが同じですので。
このHMVのサイトには、レビューが載っていますが、そこには「特に第2番がいい」とあります。うん、どんなにいいんだろうと思って聴いてみますと・・・・・
この全集ですが、ここまであまり朝比奈節を聴くことができないんです。しかし、この第2番、確かに素晴らしい演奏なんです。ゆったりとしたテンポの中に情熱的な精神が宿っており、もう隠しきれずに解き放たれている状態です。
その情熱がしり上がりに高揚し、最後の第4楽章では朝比奈節どこ行った?というくらいのハイテンポでクライマックス!まるで朝比奈氏が新日フィルとブラームスを演奏することを楽しんでいるかのようです。
いや、確実に楽しんでいると思います。だからこそ私の魂を確実に貫いていきます。新日本フィルとでも朝比奈節でいいはずなんですが、ほとんど聞こえてきません。しかし朝比奈節があるかのような、情熱的な演奏がそこにあります。朝比奈節?そんなのどうでもいいんだと言いたげです。しかもその名を冠されている朝比奈氏自身がそう言っているかのようなのです。
これは私の推測でしかありませんが、「朝比奈節」というのは大フィルと朝比奈隆という「関係性」の中でしか存在しない「世界線」なのではないでしょうか。そして朝比奈氏自身はその「朝比奈節」には実はこだわっておらず、大フィルとにだけファンサービスとして行ってきただけではないのか、ということです。だからこそ、この新日本フィルとでは朝比奈節が聞こえてこないのではないか、と私は推測しているのです。
朝比奈隆の魅力は朝比奈節にある・・・・・そんな評論を書く人も過去にいたと記憶していますが、私は真の朝比奈隆の芸術は違うんじゃないかと思います。朝比奈節というのは朝比奈氏の作品解釈の一つの引き出しに過ぎない、そう思います。特にこの第2番の演奏を聴きますと強く感じるところです。
その意味でも、朝比奈隆の真の評価は、これから再評価されることで行われることになると私は確信しています。
聴いている音源
ヨハネス・ブラームス作曲
交響曲第2番ニ長調作品73
朝比奈隆指揮
新日本フィルハーモニー交響楽団
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