東京の図書館から、7回シリーズで取り上げている府中市立図書館のライブラリであるロストロポーヴィチ指揮ロンドン・フィルによるチャイコフスキーの交響曲全集、今回はその第2回、交響曲第2番「小ロシア」を取り上げます。
第2番「小ロシア」は少し民族意識のある作品ですが、ロストロポーヴィチは第1番とは一転、かなりアグレッシヴな演奏になっています。それはやはりこの曲が多少民族意識の強い作品ということが影響しているのだろうと思います。
一方、カップリングの「ロミオとジュリエット」序曲は雄大な、まさに「物語る」演奏になっています。ロンドン・フィルという名門だからこその重厚なサウンドを存分に鳴らす演奏です。
それはこの第2集に収録されている2つの曲の演奏に共通するものになっています。第2番はアグレッシヴである一方で重厚でもあります。音が圧倒的迫力をもって迫ってくるという感じ。そしてその圧倒的な迫力が、説得力を持っています。多少のテンポの差なんてどうでもよくなります。コンサートホールにいれば間違いなくブラヴォウ!をかけてしまう演奏です。
録音はおそらく古いので、フォルティシモでは音がつぶれ気味ではあるんですが、それでも情熱がひしひしと伝わる演奏です。特にロメオとジュリエットに関しては、私が持っている中ではトップを争う演奏であり、さすが「チェリスト」ロストロポーヴィチのタクトであるなあ、と思います。
聴いている音源
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲
交響曲第2番ハ短調作品17「小ロシア」
幻想序曲「ロメオとジュリエット」
ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
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