かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:メンデルスゾーン 弦楽交響曲全集2

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリから、メンデルスゾーンの弦楽交響曲全集を取り上げていますが、今回はその第2回となります。

第2集には、第12番、第1番、第7番、第4番、第6番の5曲が収録されています。古楽であるコンチェルト・ケルンの生き生きとしてきびきびとした演奏は、聴いていて爽快で、かつ力強いものです。それでいて繊細。

メンデルスゾーンなど前期ロマン派の作曲家たちは必ずしもベートーヴェンのようなデモーニッシュな作品を書くことは稀ですが、それでも「楽器の性能いっぱいまで使う」というような作曲手法には影響を受けていることが、この演奏を聴きますとよくわかるのです。このことモダンだとわかりづらいのではないでしょうか。

その意味でもこの録音は素晴らしく見事なものだと思います。ロマン派の作品も古楽で演奏するものが増えてきている昨今ではありますが、ロマン派の作品を古楽、ピリオドで演奏する「意味」というものを存分に考えさせられるものです。

モダンで演奏してしまえばいい演奏などいくらでもできるはずですが、そこをあえてピリオドという劣るもので挑戦し、いい演奏を目指す・・・・・そのチャレンジ精神も素晴らしいうえに、演奏としてもモダンに劣らない素晴らしい生命力あふれるものになっている点も評価すべきだと思います。

前期ロマン派の時代とは、まだ楽器の性能が現代まで至っていない時代です。しかし、どんどん性能が上がっていった時代でもあります。メンデルスゾーンが生きた時代とは、そういった「楽器の進化」の途上の時代です。ベートーヴェンピアノソナタ「ハンマークラヴィーア」で信じた「未来」を、メンデルスゾーンも信じていたとという信念を、コンチェルト・ケルンが持っているように聴こえるのは私だけなのでしょうか。

こういう前期ロマン派の作品のピリオド演奏はとても素晴らしいですし、普遍的だと思います。私のワクワクが見事に当たったのは喜びとしか表現のしようがありません。

 


聴いている音源
フェリックス・メンデルスゾーン=バルトルディ作曲
シンフォニア第12番ト短調
シンフォニア第1番ハ長調
シンフォニア第7番ニ短調
シンフォニア第4番ハ短調
シンフォニア第6番変ホ長調
コンチェルト・ケルン(ピリオド)

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