かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:鈴木大介 伊福部昭を弾く

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回は鈴木大介伊福部昭のギター曲を弾いたアルバムをご紹介します。

前回も鈴木大介でしたが、確かまとめて借りたのだと思います。そもそも、伊福部のギター曲は聴く機会も少ないですし。

というか、伊福部はギター曲も作曲していたんだなあと、これで教えてもらったようなものです。

全体的に、伊福部ですからオスティナート全開ですが、むしろそれが自然でもあります。しかも、テーマとしては「和」というのも面白い点です。

収録されているうち、「バロックリュートのためのファンタジア」「古代日本旋法による踏歌」「箜篌歌(くごか)」の3曲は和旋律的な印象を受ける、「和テイスト」と言ってもいい曲です。特に「箜篌歌(くごか)」は和楽器である「箜篌」からインスピレーションを受けて書いた曲です。なんと!伊福部自身が奈良国立博物館正倉院展へ足を運んで書いたというのですから、古美術好きな私としてはとても共感する作品でもあります。

gensanart.com

それにしても、ギターは奏法として何度も弦をつまはじくというものがあることを十分知ったうえで書いているなという気がします。だからこそオスティナート(繰り返し)が全く違和感ないのだろうなと思います。鈴木大介はその「オスティナート」をアップテンポのなかで十分味わって弾いています。そのことが、聴いている空間で一つの宇宙を成立させ、私たちを「伊福部ワールド」へといざないます。

昔の私であれば、ギター曲なんてつまらないよねって思っていましたが、今ではクラシックギターの曲もいいなあと思います。上記エントリの主様ではないですが、深夜一人でネットサーフィンなんかしている時にはうってつけの音楽だと思います。深夜ともすればさみしさが襲ってくるときに、私のそばにいてくれる、大切な友達、あるいは仲間・・・・・

それは、伊福部がさみしい時代に作曲した作品達だからなのかもしれません。

P.S.

レコード会社様、三鷹市芸術文化センターにはコンサートホールと名のつくものはありません。「風のホール」もしくは「星のホール」しかないはずなのですが。再販するときには訂正をお願いしたいと思います。

 


聴いている音源
伊福部昭作曲
サンタ・マリア(編曲:鈴木大介
ギターのためのトッカータ
バロックリュートのためのファンタジア(編曲:鈴木大介
古代日本旋法による踏歌
小ロマンス
箜篌歌(くごか)
サンタ・マリア(別ヴァージョン)
鈴木大介(ギター)

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