かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:ホグウッド、エンシェント室内管のテレマン二重・三重協奏曲集

東京の図書館から、府中市立図書館のライブラリを今回はご紹介します。テレマンの二重・三重協奏曲集を収録したアルバムです。

テレマンのこれらの協奏曲は、テレマンの作品の中でも比較的有名な作品がずらりとそろっています。特にリコーダーとフルートのための協奏曲ホ短調の第4楽章は、どこかで聴いたことのある人も多いのではないでしょうか。

え、第4楽章って、協奏曲ですよね?っていうあなたは正常系バイアスです、はい。おっしゃる通り協奏曲は通常3楽章ですが、ここに収録されている協奏曲は様式としては古式であり、むしろコンチェルト・グロッソに近いものです。例として挙げたリコーダーとフルートのための協奏曲ホ短調もそんな作品の一つです。

ですから、現代風に「フルート」とされていますが、この演奏はホグウッド指揮エンシェントという「古楽」です。ですから正確には「フルートとトラヴェルソのための協奏曲ホ短調」という言い方が正式です。実際、youtubeでほかの演奏団体ですが見てみると確かにトラヴェルソです。なお、下記の動画の英語も重箱の隅をつつくような言い方をすれば間違っています。テレマンの時代、フルートとはリコーダーのことですから。

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ここに収録されている協奏曲は、どれも生き生きとしていて、様式的には古風ながらも、その生命力というのは抜群。それを演奏するのが、ホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団古楽演奏の草分けともいわれる団体です。今では新興のもっと素晴らしい団体がいろんな国で勃興し、国境を越えて活躍していますが、昔は古楽と言えばエンシェントのことを指したくらいです。特に私が小遣いでCDを買い始めた時代で古楽演奏と言えば、このエンシェントとイングリッシュ・コンサート、そして18世紀オーケストラウィーン・コンツェントゥス・ムジクスくらいしかCDを出しておらず、BCJが新興の団体だったのですから!

そんな時代からすれば、現在は隔世の感がありありとあります。この演奏は1981年の収録。ということはもう40年近く前の録音なんですね。しかしながら、今ハイレゾ対応のソニーSRS-HG10で聴きますと、なんとつやがあり臨場感があることか!広がりという点ではどうしてもハイレゾに負けますが、それでも音自体の美しさは十分CDでも情報として記録されていたということを示しています。特に最も有名であるリコーダーとフルートのための協奏曲ホ短調はリズム感にあふれ、第4楽章はついノリノリになってしまいます。その演奏がつやがあり臨場感も十分にあるわけで、だからこそ前のめりにもなっていきます。

テレマンというバッハに並ぶ巨匠の生命をつなぐような、ホグウッドとエンシェント室内管による演奏は、新型コロナウイルス蔓延でどうしてもネガティヴになり、下手すればつぶれそうになる私の魂を癒し、明日もまた生きてみようという希望を与えてくれます。

 


聴いている音源
ゲオルク・フィリップ・テレマン作曲
三つのトランペットのための協奏曲ニ長調
四重協奏曲変ロ長調
リコーダーとフルートのための協奏曲ホ短調
ポーランド風協奏曲
フルート、オーボエ・ダ・モーレヴィオラ・ダ・モーレのための協奏曲ホ長調
クリストファー・ホグウッド指揮、ハープシコード
エンシェント室内管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。