かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:ユーゲント・フィルハーモニカー第14回定期演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は3月14日に開催予定だった、ユーゲント・フィルハーモニカーの第14回定期演奏会を取り上げます。

だった、のになぜ取り上げるのですかって?それは、動画が配信されたから、なんです。

このエントリが出たころには、見ることができなくなっていると思いますが、第14回定期演奏会は中止となり、その代わり無観客で収録をして、後日公開するという案内が、オケから出たのでした。

そのために、その公開をずっと待っていたのでした。実のところ、3月14日は行けない日だったのですが・・・・・

ですが、一応検索してみたら、中止になる代わりに、収録動画を配信とあったので、ずっと待っていた、ということなのです。こんな機会もそうそうあることでもないですから。

で、やっと4月4日に配信開始、そして人気なので12日まで延長とあったのです。そのギリギリの12日の夜に、ようやく動画を見ることができました。なお、各曲を楽章ごとに区切ったヴァージョンは見ることができます。

www.youtube.com

いまなら、収録ですら難しいフェーズになっており、動画配信というのはオーケストラにとっても難しくなってしまっていますが、ちょうど収録できるギリギリのところで、収録できたというのは、オケの皆さんにとっても本当に幸せだったのではないでしょうか。

さて、プログラムは以下の通りです。

モーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」
マーラー 交響曲第6番「悲劇的」

交響曲2つなんて、本当におなかいっぱいです。しかも、モーツァルトマーラー。全く異なるタイプの交響曲を演奏するってことは、ある意味チャレンジ精神旺盛だということでもあります。

まず、ジュピターですが、アマチュアらしさがない素晴らしい演奏!しかも、生き生きとしているんです。これが素晴らしいんですよ、ほんと。こういうオケは本当にほれぼれしますねえ。

というか、ユーゲント・フィルのご紹介をしておく必要があるかもしれませんね。日本青年館におけるコンサートをきっかけに結成された若いオケです。それゆえなのか、本当にうまい!

jugend-phil.com

若いオケだからなのかもしれないんですが、とにかくリズム感がいいんです。だからこそ生命力にもあふれています。聴いていてワクワクするんですね。それが本当に素晴らしい!

それゆえにちょっとだけ残念なのが、マーラーでした。第1楽章、もう少しリズム感が欲しかったなあって思います。「悲劇的」という標題にとらわれたかな、という感じもしました。それ以外は本当に素晴らしい演奏!もう非の打ち所がないって思います。これは観客入りで聴きたかったよねえって思います。ただ実際には私は聴きに行けなかったんですが・・・・・

でもこうやって、配信になって聴けるのは幸せです。過去の演奏を聴いてみても本当にアマオケ?って感じなものばかりですし、世の中が自粛ムードになったからこそ、逆に出会えたといってもいいと思います。もちろん、この自粛がいいとは言いませんが・・・・・状況的に、仕方ないですからね。

特に感じたのは、各々が曲が持つ生命力だったり、魂だったりというのを、とても大切に演奏しているという点です。思い切りがいい生きのいい演奏に、繊細さも加わり、もうこのオケを聴くのであればプロオケ聴く必要ないなあとすら思います、いや、今ドイツ・カンマーフィルのブラームス交響曲第3番の動画配信を聴きながら書いていますが、プロオケはさすがだと思うのは、マーラーでちょっとユーゲントさんがつけられなかった、細かい表情をしっかりつける点なんです。もう少しその表情が第1楽章で付いていれば完璧だったと思うんですが、こういう点はまだまだプロオケに一日の長があるとは思うんです。けれどもアンサンブルはドイツ・カンマーフィルにも負けないだけのものがあるんですよ。

そういうアマオケが、日本にはあまたある。こういったオケが存続できるような支援を、私たちクラシック・ファンは考えていく時期が来ているのではないかという気がします。政府は貸し付けることはしますがそれ以上のことをしようとしない現状で、新型コロナウイルスの感染拡大が収まったとき、果たしてどれだけの団体が残っているんだろうかって思うのです。プロもアマも、大変な時代がくるような気がしてなりません。こういったいい団体を何とかして残していくにはどのような策があるのか、妙案がある方は是是非ともコメント残していただけると嬉しいです。

私自身も仕事がどうなるかわからない中で、このオケをはじめとして、多くのアマチュア・オケを存続させるために、自分に何ができるのか、考えたいと思います。そのうえで、仮にそれほど給料に影響が出ないで済んだならば、ユーゲント・フィルの次の演奏会はぜひとも行きたいなあと思います。

 


聴いたコンサート
ユーゲント・フィルハーモニカー 第14回定期演奏会
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」
グスタフ・マーラー作曲
交響曲第6番イ短調「悲劇的」
海老原光指揮
ユーゲント・フィルハーモニカー

令和2(2020)年3月14日、東京墨田、すみだトリフォニーホール大ホール

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。