かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:プーランク 鍵盤楽器協奏曲集

東京の図書館から、今回は小金井市立図書館のライブラリをご紹介します。プーランクのピアノ協奏曲、そしてオルガン協奏曲を収録したアルバムをとりあげます。

ピアノとオルガン、その二つの楽器を使った協奏曲となると、想像されるのはバロック期の作曲家たちなのではないでしょうか。例えば、バッハがその筆頭に上げられるかと思いますが、20世紀フランスの作曲家であるプーランクも書いています。そしてむしろのピアノ協奏曲やオルガン協奏曲は、プーランクの代表作ともなっています。

このアルバムには、ピアノ協奏曲、二台のピアノのための協奏曲、そして通称オルガン協奏曲の3曲が収録されていますが、どれもプーランクの個性が発揮された素晴らしい作品ばかり。

ja.wikipedia.org

enc.piano.or.jp

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わたしとしては、注目すべきはオルガン協奏曲だと思っています。おそらく、このアルバムを何も考えないで聴いていると、それぞれ独奏楽器はピアノとオルガンだと考えがちです。ですが、オルガン協奏曲は実は正式には「オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」です。つまり、オケに管楽器がない弦楽合奏なんです。けれどもぱっと聞けば2管編成のオケじゃないかと錯覚するのです。実は管楽器はオルガンが担当しているというのに。

そのうえ、ティンパニも印象的なので、余計オルガンと管弦楽のための協奏曲と勘違いしてしまうんです。それがわかると、なんとオルガン協奏曲は独創的なのだろうと思います。

作曲時期的にフルオケというのが難しいということもあったのだろうと思いますが、それにしても見事です。フランスの作曲家の中では私の中では最も好きな作曲家の独りであるプーランク。実に温故知新で、その温故知新ぶりが鮮やかで斬新です。

そして、演奏は実にいきいきとしている!音がピチピチしています。それでいて洒脱でもある。さすがデュトワのタクトだと思いますし、デュトワとは名コンビのロジェのピアノも冴えています。そして何と言ってもそのオルガン!まるで宇宙が生命を持つかのようなうなりを持っており、自分自身が万華鏡の中にいるかのような色彩感もあります。それでいて力強くもある。聴いていて飽きが来ない上に情熱的。マイナス面を探すほうが本当に難しいです。

あくまでもプーランクは調性の拡大という範疇なのですが、それでもその拡大ぶりが一つの世界を構築しており、その世界の表現が指揮者、オケ、ソリストそれぞれ抜群なんです。それが一つの世界としてまとまったハーモニーは、絵画を「聴いている」かのように聴こえるのです。その夢見心地と言ったら、もう「何も言えねえ」ですね。

 


聴いている音源
フランシス・プーランク作曲
ピアノ協奏曲ハ短調
2台のピアノのための協奏曲ニ短調
オルガン協奏曲ト短調
パスカル・ロジェ(ピアノ)
シルヴィーヌ・ドゥフェルヌ(ピアノ)
ピーター・ハーフォード(オルガン)
シャルル・デュトワ指揮
フィルハーモニア管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。