かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:ゴルトマルク 交響曲「田舎の婚礼」他

東京の図書館から、今回は府中市立図書館のライブラリをご紹介します。今回はゴルトマルクの交響曲「田舎の婚礼」と序曲を収録したアルバムをご紹介します。

ゴルトマルクって誰?って思いますよね。実はブラームスと同じ時代に活躍し、ブラームスとは散歩友達だった作曲家なのです。

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そのゴルトマルクを代表する管弦楽作品が、ヴァイオリン協奏曲と、今回ご紹介する交響曲「田舎の婚礼」なのです。

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ゴルトマルクの交響曲には番号が付いていないので、ウィキでは「田舎の婚礼の交響曲」と出ていますが、間違いではありません。そういう表記もあるってことです。

いずれにしても、いきなり第1楽章から変奏曲だったり、ゆえにソナタ形式を必ずしも備えて居なかったりと、組曲、あるいは交響詩と言ってもいい様式なのですが、その意味では20世紀音楽を先取りしたともいえる作品だと思います。

そんな作品が初演されたのはなんと!友人ブラームス交響曲第1番とほぼ同じだというんですから・・・・・それにしても、ブラームスが嫉妬せず評価するというのも、作品が持つ生命力を考えると、納得のような気もします。

それだけじゃありません、ゴルトマルクの教養の広さも、おそらくブラームスにとって共感する部分だったのではないでしょうか。たとえ対立するワーグナーを評価していたとしても、です。それがカップリングの序曲「シャクンタラ」。題材はなんと!あのインドの叙事詩マハーバーラタ」なのです。

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核戦争を描写しているともいわれる「マハーバーラタ」ですが、そんなインドの叙事詩に題材をとり、さらに戯曲にされたものを題材に音楽をつけたのが「シャクンタラ」です。こういう東洋趣味は古くは古典派の時代からあり、モーツァルトベートーヴェントルコ行進曲、さらに時代が下ってリムスキー=コルサコフの「シェエラザード」など、ギリシャ神話だけではないその題材の取り方のユニークさがクラシック音楽の魅力でもありますが、ゴルトマルクもその一員だったというわけです。インドの叙事詩が題材とはいえ、音楽はまさにヨーロッパクラシック音楽そのもの。しかも後期ロマン派の香りはプンプン。実にロマンティックで壮大な音楽になっています。

演奏はロイヤル・フィルで、指揮するはバット。所謂「華僑」なのですが、華僑であるがゆえにかつての日本の満鉄マンのようなコスモポリタンな香りをオケに要求しているようにも聞こえます。それが自然と作品の生命力を引き出し、オケはのびのびと歌い上げ、その精神が私に届いているように感じます。「田舎の婚礼」も冗長に聴こえずあっという間に婚礼が過ぎていきますし、「シャクンタラ」もその劇的転回が聴くものを引き込みます。十分オケを歌わせるそのタクトは、もっと他の演奏を聴きたい!と思わせるに十分です。これがプロの仕事ですね~。

 


聴いている音源
カール・ゴルトマルク作曲
交響曲「田舎の婚礼」作品26
序曲「シャクンタラ」作品13
ヨンダーニ・バット指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。