かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:シェック チェロ協奏曲

東京の図書館から、今回は府中市立図書館のライブラリをご紹介します。スイスの作曲家シェックのチェロと弦楽のための協奏曲です。

府中市立図書館のライブラリの豊富さは、神奈川県立図書館に匹敵するくらい。そのため、有名どころだけではなく、知られざる作曲家の作品を収録したアルバムもあります。そんな一枚がこのシェックの作品を収録したアルバムです。

まずは表題の「チェロと弦楽のための協奏曲」。つまりはチェロ協奏曲なのですが、弦楽となんですね。もちろん、管弦楽が嫌いだったわけではなさそうです。実際、多くのジャンルの作品を書いた、20世紀音楽の作曲家でした。

ja.wikipedia.org

日本ではヴァイオリン協奏曲のほうが知られているようですが、図書館にあったのはこのチェロと弦楽のための協奏曲を収録したものだけだったように思います。実際に聴いてみますと、調性の拡大の時期の作品かなと思います。いかにも20世紀音楽と言った感じで、ナチスはなんといい加減だったのかって思います。そのせいで戦後は冷や飯食いとなってしまいます・・・・・

続く弦楽のための「夏の夜」はかなり調性的ではありますがこれも調性の拡大のほうに軸足を置いている作品だと思います。この世界にたどり着くまで何度試行錯誤したんだろうって思います。

演奏はこれまた日本では知られない指揮者とオケ。指揮者はチェロのソリストも兼ねていますが、それはバロック的な編成でもあります。それが作曲者を反映したものなのか、違うのかまではわかりませんが、しかししっかりとしたアンサンブルで説得力のある演奏をしているところを見ると、この二つの作品は多分にバロック的という解釈なのだろうって思います。実際管楽器がない分アンサンブルは合わせやすいはずですしね(管楽器は吸わなければならない分指揮者なしではアインザッツが合いにくい)。

つまり、作品自体がバロック的だということです。そういう保守的な部分が、ナチスに利用されるきっかけだったんでしょうね。いや、ナチスが「退廃音楽」とした作曲家の作品にだって多分にバロック的なものもあるんですが・・・・・その点でもいかにいい加減かがわかります。

そしてそれは、まるで現代日本に再現されているかのようです。保守が全然保守ではなかったり、革新が意外と保守だったり・・・・・こういう状況になってしまうと、社会や国家はどこか危ない方向へ行くんだなあと、この演奏を聴くとしみじみ思います、特に防疫という概念が皆無のわが政府を見ていると・・・・・・

 


聴いている音源
オトマール・シェック作曲
チェロと弦楽のための協奏曲作品61
弦楽のための「夏の夜」作品58
ヨハネス・ゴリツキ(チェロ、指揮)
ノイス・ドイツ・カンマーアカデミー

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