かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:オーケストラW第4回演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は令和2年2月1日に行きました、オーケストラW第4回演奏会を取り上げます。

え、日付間違っていませんか?っていう、ア・ナ・タ。いいえ間違っていません。つまり、前回のハルオケさんも同じ日でしょ?って言いたいわけですよね?ええ、同じ日です。つまり、「はしご」したってわけなんです!

実は、そもそもはハルオケさんとこのオーケストラWさんをはしごする「ダブルヘッダー」を予定していました。ところがです、じつはWさんはサントリーホールであるにも関わらず、1か月前にはチケットが売り切れていたんです!

えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!驚き桃の木山椒の木、ブリキに狸に洗濯機、やってこいこい大巨人!

と唱えていたわけではないんですが、一縷の望みをかけて、オケにメールをしました。しかし返答はなし。本当にわずかの可能性にかけて、団員捌き用のチケットとかが当日券に回らないかなあと思っていました。それでなければ、しょうがないよね、と。

それが・・・・・回ったようなんです!サントリーホールのサイトに、当日券ありの表示が・・・・・・おお神様!

もちろん、ハルオケさんのコンサートが終わってから駆け付けるわけですから、タイミングによっては売り切れているという可能性すらあったんです。それが・・・・・売り出し15分後くらいにつきましたが、まだまだ余裕ありの状態!ああ、神様に感謝します!

このオケを聴きに行こうと思ったのは、フェイスブックの非公開グループである「クラシックを聴こう!」において、「王子様が出演なさいます!」という投稿を見かけたことでした。え、王子さまって?それは、N響の首席チェリストである藤村俊介氏のことです、キャー(反論突っ込み不可、絶賛言論統制中)!

・・・・・・ははは。多分、FBの当該グループに参加されている読者の方が居ましたら、誰のことだかはお分かりですよね(;'∀')まあ、ここは普通のブログなので、個人名は伏せますが・・・・・でも、その方がおっしゃる「王子様」こと藤村氏のチェロがどのようなものか、とても興味を引いたから、なんです。

それにしても、FBの力はすごいなあって思いました。非公開グループなんですよそれ。けれども1か月前には売り切れているって・・・・・いくらソリストN響の首席奏者だからと言って、1か月前に売り切れるか?って思いますから。在京オケの首席がソリストを務めるなんて、アマチュアオケで珍しいことでも何でもないですから。

当日のプログラムは、ドヴォルザークのチェロ協奏曲と、ショスタコーヴィチ交響曲第5番の二つ。その二つだけって言うのもこれまたハルオケさんに負けず劣らずの個性だと思います。

驚いたのは、オケが入ってくるなり拍手が巻き起こったことです!これ、ほとんどないですから、オケで。ええ、「オケで」です。つまり、プロアマ問わず、ということです。海外オケの来日公演くらいですよ、そんなこと起きるのは。

これは、何かが起きる予感を感じました。そしてその予感は、「ドヴォコン」の第1主題が始まるや否や、現実のものになりました。なんだこのうまさは!藤村氏のチェロが始まる前にすでに感動モード。体中がゾクゾクしているんです。このワクワク感、ひっさしぶりです。これこそアマオケを聴きに行く醍醐味!

そして、藤村氏のチェロ。さすがプロだねえって思うと同時に、藤村氏のチェロもそうとう「歌う」んです。そもそも、チェロは人間の声に近いと言われる楽器ですが、にしても、本当に藤村氏は歌っているんです、チェロで。これは本当に素晴らしいなあって思います。クレセント・フィルと共演した日芸出身とは大違いだって思いました。中大オケのOBOGたちであるクレセント・フィルの人たちとも共演してほしいなあって思った瞬間でした。

ハルオケさん以上に、Wさんはアマチュアらしいやせたおとが一切ないんです!しかもです、Wさんの団員さんって、ほとんどが医療関係者。中には医者だっているわけなんです。忙しいさなかどれだけこのレベルの演奏を紡ぎだす時間があるんだろうって思うだけで、もう感動しっぱなしです。

サントリーホールの空間を存分に使った豊潤なサウンドは、ハルオケさん同様かそれ以上ですし、その音に包まれる喜び!藤村氏のアンコールである「鳥の歌」ではもう泣いてしまいました・・・・・

後半のショスタコ。「革命」ともいわれる作品ですが、凶暴性と抒情性がアウフヘーベンし、同居する素晴らしい演奏!いやあ、もう第1楽章でダスビ越え。ついにアマオケでダスビ超えるオケが出てきたか!と驚くとともに感動しました。ダスビの団員たちが20数年間やってきたことは、間違いじゃなかったよね、と。

アインザッツの強さと美しさ、それが紡ぎだす内面性。どれをとってもプロオケ聴いているのか?と間違いそうになる実力。アマオケらしさは管の時折でる不安定さ。けれどもそれは全くマイナス要因ではなく、全体の表現の中で十分相殺されるものです。その指導者の一人が、藤村氏なんですね。なーるほどって思いました。FBの当該の方には、藤村氏は暖かい方のはずですよって言いたいです。そうでなければサントリーホールを満たすくらいの豊潤なサウンドアマオケで実現できるはずはありません、と。

またハルオケさんやダスビ、クレセントなどに加えて、聴きに行きたいオケが増えてしまいました。うれしい悲鳴です。キャー!

 


聴いてきたコンサート
オーケストラW第4回演奏会
アントニン・ドヴォルザーク作曲
チェロ協奏曲ロ短調作品104
ドミトリー・ドミトリエヴィッチ・ショスタコーヴィチ作曲
交響曲第5番ニ短調作品47
藤村俊介(チェロ、NHK交響楽団フォアシュピーラー)
和久井仁指揮
オーケストラW

令和2(2020)年2月1日、東京港サントリーホール大ホール

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。