かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:R.シュトラウス 管弦楽作品全集1

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回から9回に渡りまして、リヒャルト・シュトラウス管弦楽作品全集をとりあげます。元音源はEMIです。

現在ではワーナーから出ているこの全集、神奈川県立図書館にはEMI時代のものが収蔵されています。ただ、図書館側で曲名などをつけてくれるのはいいんですが、演奏者などが記載されていないケースもあるんですよね・・・・・

この全集もそんな一つで、なのでこの第1集は協奏曲集なのに、指揮者とオケはわかるけどソリストがわからないという代物。で、ネットで検索して初めてソリストがわかるという・・・・・

この第1集はですから、私自身がアタッチメントを作ったときには指揮者名とオケだけを記載してありますが、このエントリではネットでの検索結果も含め記載しておきたいと思います。

さて、そんな第1集ですが、まずはホルン協奏曲の二つと、オーボエ協奏曲、そしてクラリネットファゴットのための二重小協奏曲の4曲が収録されています。実はこの4つはほぼひとまとまりでくくられているようで、ウィキでもそのようにまとめられています。

ja.wikipedia.org

二つのホルン協奏曲はそれぞれ作曲年代が離れており、確かに第1番は古典的印象を受けますし、第2番はぐっと後期ロマン派的ですが、じつは作曲年代としては第1番が後期ロマン派、第2番が新古典主義音楽という時代になるんです。これ、面白い現象だなって私は思いますし、リヒャルト・シュトラウスという人の立ち位置が見え隠れするような気がしてならないんです。

リヒャルト・シュトラウスと言えば、基本後期ロマン派最後の作曲家と言われます。数多くのオペラ、そして交響曲が最も有名ですが、協奏曲にも優れた作品があるのはあまり知られていないような気がします。そんな協奏曲をまず第1集にもってきているという編集方針に惹かれ、じつはこの全集を借りてきています。実はわたしは、リヒャルト・シュトラウスって決して嫌いじゃないんですが、管弦楽作品をまともに俯瞰したことって全くなかったので・・・・・

つまり、朝比奈隆/大フィルの「ツァラトゥストラかく語りき」くらいしかCDは持っておらず、録画でも「英雄の生涯」くらいしかない私だったのです。それでも、たとえばテレビでメタモルフォーゼンなど流れていれば聞いてはいましたが、自分のライブラリに入れるとなると、好きなものから若干外れていたため、ずっと後回しになっていたのが、リヒャルト・シュトラウス管弦楽作品だったのです(当然、録画でも彼のオペラはなし)。まあ、青年時代、私はワグネリアンでしたから・・・・・

でも、いつしかワグネリアン一辺倒から卒業を誓いました。そこで興味を持ち始めたのがリヒャルト・シュトラウスだったのです。ツァラトゥストラ以外で聴いた作品が英雄の生涯と、あとは皇紀2600年祝典曲くらい。けれどもその皇紀2600年祝典曲で、当時のリヒャルトがおかれた状況を知るんですね。そこから、私はずっと聴きたいと思っていた作曲家だったはずなのですが、どうしてもなかなか手が回らない作曲家だったのです。

まあ、そんな因果もあって、協奏曲から始まるこの全集に、図書館に行くたびに惹かれていった私が居ました。なのでこの全集は満を持して借りたものではありました。そこで、第1集がホルン協奏曲・・・・・・

第1番・第2番どちらも、リヒャルト・シュトラウスのオペラやほかの管弦楽作品を聴いてしまうと、拍子抜けするくらい健康的美という印象すら受けるんですが、多分それは私がリヒャルトの作品をそれほど聴いていないせいだろうって思います。実際はとても豊かな表情があるのに、知ろうとしなかっただけなんだと思います。残り二つのオーボエ協奏曲も、そしてクラリネットファゴットのコンチェルタンテも、実に明快かつ豊潤です。こんなに魅力ある作品たちをどうして放っておいたんだろうって思うんです。

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

以前、輸入盤では聴いているはずなのに、そこからさらにとはならなかった自分が恥ずかしい!って思いますが、まあ、それはそれでしょうがない部分もありますしねえ。ようやくその時が来たということだったんだと思います。

録音年代は決して新しくはないですが、とてもつやがある演奏!指揮するはケンペ、オケはシュターツカペレ・ドレスデン。この組み合わせもいいなあと思います。当時東側のオケと西側の指揮者が西側のレーベルで録音するというのもさることながら、オペラ作曲家の作品をコンサートで聴いているかのような錯覚に陥るのがとても楽しいからです。

そして、ソリストも素晴らしい!ホルンのダム、オーボエのクレメントも歌う歌う!この二人だけじゃない、残り二人、クラリネットのヴァイゼ、ファゴットのリープシャーも歌いまくります。オペラ作曲家でもあったリヒャルト・シュトラウスの協奏曲はこんなにも歌えるものなんだなと実感します。むしろなんで演奏機会がホルン協奏曲くらいしかないんだろうなあと不思議に思うくらいです。だからこそ、次が聴きたくなる・・・・・うん、編集者にやられた!

 


聴いている音源
リヒャルト・シュトラウス作曲
ホルン協奏曲第1番変ホ長調作品11
ホルン協奏曲第2番変ホ長調AV132
オーボエ協奏曲ニ長調AV.144
クラリネットファゴットのための二重コンチェルティーノ ヘ長調AV.147
ペーター・ダム(ホルン)
マンフレート・クレメント(オーボエ)
マンフレート・ヴァイセ(クラリネット)
ヴォルフガング・リープシャー(ファゴット)
ルドルフ・ケンぺ指揮
シュターツカペレ・ドレスデン

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。