神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、4回シリーズで取り上げていますフランクの室内楽曲全集、今回はその第3集を取り上げます。
この第3集では、ピアノ三重奏曲が収録されています。しかし、フランクのピアノ三重奏曲はただのピアノ三重奏曲ではなく、第1番と第2番ともに「協奏的三重奏曲」と銘打たれているものです。
確かに、ピアノ協奏曲を弦楽三重奏曲でやろうとしていますし、重厚さもありますが、とはいえ、室内楽作品。その美しさは絶品!第1番の第1楽章など、もう聴いているうちに落涙しそうになりました・・・・・
比較的若いころの作品がこのピアノ三重奏曲の二つで、カタログ番号ではCFF111と112があたえられていますが作品番号とFWVはともに1。1841年という時期に書かれた作品です。若かりしフランクの意欲作だったんだなと思います。
はっきり言って、この二つのピアノ三重奏曲、虜になりました。美しく、まるで私の内面を覗かれたみたい・・・・・なんであなたは私の内面の悲しさや苦しみを知っているの?という感じです。こういう作品に出合えるからこそ、名が知れているけれども管弦楽しか我が国ではあまり知られていない作曲家は、室内楽から入るほうがいいんですよねえ。まあ、フランクの場合その管弦楽作品すらまともに聴いたことないですが・・・・・
だからこそ、その全集を借りてきたんですね。ここまで聴いていて、フランクの室内楽曲はもう絶品!なんで食わず嫌いだったんだろうって思いますよ、ほんと・・・・・
最後の大三重奏曲は実は上記2曲よりも古い作品ですが、作品番号は6。1834年の作品で、さらに若いころの作品ですが、これもまた美しい・・・・・まるで私の若かりし頃のよう・・・・・って、禁句?可憐な曲です。
演奏するのは、第1集の二人に、ヴィオラのネイスとチェロのグリムを加えた4人。アラウのようにこの4人も「歌う」んですよねえ、これが。アコーギクなどを表現するためのツールとして過度にこだわらず使い、楽しくも、つい落涙しそうになる美しく味わいのある演奏をしてくれます。あなた方、なんで私の内面をそんなに知っているの?作曲者もさ、演奏者もさ・・・・・って、ついそう思ってしまいます。もちろん面識などですから私のことを知る由もないですが、それでもどこか共感する私がいるんです。ナイーヴで強くも弱くもある私自身を、そのままでいいんだよと言いたげに・・・・・
聴いている音源
セザール・フランク作曲
ピアノ三重奏曲(協奏的三重奏曲)第1番嬰ヘ短調作品1-1CFF111
ピアノ三重奏曲(協奏的三重奏曲)第2番変ロ長調作品1-2CFF112
大三重奏曲ハ短調~ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための CFF108
デヴィッド・ライヴリー(ピアノ)
タチャーナ・サムイル(ヴァイオリン)
トニー・ネイス(ヴィオラ)
ユストゥス・グリム(チェロ)
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