かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:オルケストル・デ・ベル第3回定期演奏会

コンサート雑感、今回は令和2年1月5日に聴きに行きました、オルケストル・デ・ベル第3回定期演奏会を取り上げます。

衝撃的な第1回演奏会の「第九」から2年。昨年の情熱的なブラ1から1年。一日千秋の思いで待ち続けた「ベルオケ」さんの演奏会。今回は前2回のドイツ路線から一転、フランスの大作曲家サン=サーンス交響曲第3番「オルガン付き」がメインでした。

もしかすると、この「オルガン付き」は満を持して持ってきたのかも、とすら思います。ベルオケさんの名称から、そんな気がするのです。

実は今回、プログラムはオール・フランスもの。サン=サーンスの「死の舞踏」、フォーレの「ペレアスとメリザンド」、そしてオルガン付き。特に前半の2曲は生と死がテーマとなっているだけあって、前回までのドイツものとはまた違った作品たちです。

それを、見事に料理するんですよねえ、これが。だから悩んだんです、当日はわが魂の曲である第九を、以前素晴らしい演奏で聴いた都民響さんとソニー・フィル混声が演奏するので。まさかベルオケさんとバッティングするとは・・・・・

けれども、ここで私としては珍しい判断をしました。その第九よりも、ベルオケさんのフランスものを選択したのです。実は理由は明白でして、日本のオケがフランスものを取り上げることが少ないこと、そしてアマオケでの演奏は以前宮前フィルのものを聞き逃してしまっていること、なのです。

ですから、ベルオケさんがむしろ本当にどれだけの技量なのかを知るには、今年しかない!と思ったのです。都民響さんなんてまた今年も何度か演奏会がありますし、また今年も年末に第九を演奏するでしょう。しかしこのベルオケさんの演奏会は年1回。一期一会。そりゃあ、ベルオケさんです。

まず、サン=サーンスの「死の舞踏」。いやあ、これプロでしょ?と思います、ほんとに。それくらい美しく、かつ生命力あふれる演奏。続くフォーレの「ペレアスとメリザンド組曲も素晴らしい!特にシシリエンヌのフルートは絶品!マヂでベルオケさん聴いたら下手なプロオケは聴けなくなります。

そしてメインの「オルガン付き」。今、書きながらかつて県立図書館でかりてきてリッピングしてあるエッシェンバッハ指揮バンベルク交響楽団の演奏を聴いていますが、それを凌駕するかのような素晴らしい演奏だったと思います。特に第2部の開始はもう鳥肌立ちました。地鳴りがするというか・・・・・

それはオルガン付き全体にいえることなんですが、本当にじわりじわり熱狂が押し寄せてくるような。しかしそれは我を忘れたものではなく、魂が燃えるかのような情熱が冷静さの中にひそかに燃え盛っているけれども、もう冷静さという「容器」では小さすぎるかのような。

決してベルオケさんは若い人ばかりではないんですが、全国から集まったトラなしのオケは、じっくりと自分たちの「歌」を紡いでいるように思います。だからこそ、説得力のある、熱気あふれる演奏になるんだと思います。本当にこういうオケはずっと応援していきたいですよね~。

実家を離れて早数年以上が経ちました。地元のアマオケは宮前フィルではなくなって久しいですが、その宮前フィルが実力をつけている間、ほかのアマオケもしっかりと実力をつけていました。今ではもう、かつてプロオケが聴きに行けなくて悶々としていたのがうそのようで、バカらしかったなと思えるくらいです。そんな大切な意識をくれたオケの一つが、ベルオケさんであることは間違いないと思います。

来年は今度はフランスではなくロシアの作品、リムスキー=コルサコフの「交響曲」ともいうべきシェエラザード。どんな「ベルオケマジック」が聴けるのか、今から楽しみです。今年もこれで何とか仕事に集中できそうです。ありがたいことです、ほんとに・・・・・

 


聴いて来たコンサート
オルケストル・デ・ベル第3回定期演奏会
カミーユ・サン=サーンス作曲
交響詩「死の舞踏」作品40
ガブリエル・フォーレ作曲
組曲ペレアスとメリザンド」作品80
カミーユ・サン=サーンス作曲
交響曲第3番ハ短調作品78「オルガン付き」
室住素子(オルガン)
水戸博之指揮
オルケストル・デ・ベル

令和2(2020)年1月5日、東京墨田、すみだトリフォニーホール大ホール

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。