かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:府中市民第九2019を聴いて

コンサート雑感、今回は令和元年12月15日に聴きに行きました、府中市民第九2019を取り上げます。

府中における年末の第九イベントは、ここ数年は2年おきに開催されています。これは多摩地域では恒例になっているようです。同じようなサイクルで開催している自治体に小平市があります。

実はわたしはここ数年は府中市在勤者でした。そのこともあり実はずっと府中市民第九は聴きに行きたかったのですが、大体日曜日に行われるコンサート、日曜日勤務の私はなかなか行く機会がありませんでした。人手も少ないせいで、親戚が亡くならない限りは休暇すら取れない職場でしたので・・・・・

毎年、指をくわえてポスターを見ているだけでした。しかし今年はその仕事からも離れたため、初めて行ける機会ができた最初の年となりました。のに、その前にお誘いを受けたのが、毎年聴きに行っているコア・アプラウス関係のオペラ「蝶々夫人」・・・・・

どうしようか、あきらめようかとも思ったのですが、取り上げる曲などを勘案したら、はしごしても間に合うという結果が。なら、ひっさしぶりにコンサートをはしごしてみようか、と思い立ち、チケットを取りました。

今年のプログラムは、以下の通りでした。

オール・ベートーヴェン・プログラム
ベートーヴェン:シュテファン王作品117
ベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」

ここ最近の傾向なんですが、たいてい1プロは間に合わないという事態が発生しています。まあ、もうそれなりの年齢なんだなあと実感しますが、今回もその傾向ばっちりで、1プロ「シュテファン王」は間に合わずでした。けれども、担当オケは府中市交響楽団ですから、素晴らしい演奏だったのではないかと思っています。

そう、府中市民第九を聴きに行きたかったのは、昨年聴いた「わが祖国」が本当に素晴らしかった事もあるのです。あの演奏を聴かなければ無理して日程を組まなかったと思います。なにせそもそもそれ以前に予定していた「蝶々夫人」の開演が17時なんですから・・・・・

府中市民第九の会場は東府中にある府中の森芸術劇場どりーむホール。一方、先に入っていた蝶々夫人曳舟文化センター。どう考えてもギリギリなんです(実際それもギリギリでした。詳細は「蝶々夫人」のほうで述べたいと思います)。だからこそ悩んだわけなんです。けれども、チケットを取り聴きに行って大正解でした。

冒頭から緊張感のある演奏。府中市民響さんには珍しい音が外れるということもありましたが、全体的には引き締まった演奏で、ぐいぐい引き込まれていきます。特に素晴らしいのが金管ティンパニ、そして弦。ティンパニは堅めのセッティングですがそれをぶっぱなすのではなく、あくまでも上品に「ぶったたたく」。気品すら漂います。そして金管は本当に美しい・・・・・そして弦も、全くやせた音無し!

ただ、弦に関しては策を弄しすぎだったかなと思います。もちろん指揮者大井氏が、です。第3楽章ではもっと前半歌わせてもよかったと思いますし、第4楽章ではあまりアコーギクや表現を無視にしなくても十分魂に響くのではないかなあと思いました。府中市民響は本当にうまいオケですから、やりたい気持ちはわかるんですが、あくまでもアマチュアオケです。まあ、そこを忘れるくらいうまいんですけどね、府中市民響って・・・・・

vor Gott!の部分も特段変態演奏というわけでもなく、もし変態演奏だったとしても1拍抜けているくらい。とてもオーソドックスなんですが、特に今回素晴らしいのが合唱!アマチュア合唱団で安定した歌唱を聴けたのは昨年の都民響さんのソニー・フィルハーモニック合唱団くらいではなかったかなあと思います(年明けにまたこのコンビで第九があります、その日はベルオケさんの定演があるので今年は行けません。ソニーフィル唱さんや都民響さんの成功を祈ります)。

では、合唱団はどこか常設のところが担当しているのかと言えばそんなことはなく、この日のために結成された特別市民合唱団。いわゆる「第九を歌う会」みたいなもので、川崎市民第九とおなじ。なのに、その歌唱のなんと力強く安定した歌唱であることか!練習番号Mの部分なんて感動ものです。楽譜通り冒頭はソプラノなしで、そのあとの「そうだ、たった一人の友しか得られなかったものも唱和せよ!」の部分でソプラノが入ってきたときには鳥肌立ちました。いやあ、府中ってどこにそんな力あるんだ?と本当にびっくりさせられました。

感動というか、そこに仲間がいる!という感じで、体中に喜びが満ち溢れるのを感じました。また再来年も聴きに来たいなと思います。来年ないのは残念ですが、来年はぜひとも小平市民オケの第九を聴きに行きたいと思っていますので・・・・・

 


聴いてきたコンサート
府中市民第九2019 第18回府中市民第九演奏会
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
劇音楽「シュテファン王」作品117
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
天羽明恵(ソプラノ)
奥野恵子(メゾソプラノ
望月哲也(テノール
青山貴(バリトン
府中「第九」2019合唱団(合唱指揮:山口浩史)
大井剛史指揮
府中市交響楽団

2019(令和元)年12月15日、東京府中、府中の森芸術劇場どりーむホール

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。